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白銀のシンセシス  作者: 大場里桜
前編:Grayish future
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宇宙要塞ヘカトンケイル攻略戦3

 敵戦艦2隻を撃沈した事で、宇宙要塞ヘカトンケイルへの道が開けた。

(どうする? 今なら要塞に一撃を食らわせる事が出来る。だが、先行すれば敵に包囲される可能性がある。迷うところだが攻撃を選ぶべきだ。リスクを冒してでも要塞を撃たなければ勝機を逃す……いや、自惚れるな。僕の単独行動だけで戦況は変わらない。友軍を……ブレナン大将の指揮を信じるんだ!)


「一度後退します! 援護をお願いします!」


 アーサーは攻撃を継続するか、一度引くべきか葛藤したが、最終的に後退する事を選んだ。


「やれば出来るじゃないか! もう暴走の心配はないようだな。援護するから早く戻って来い! ほらほら道を開けろよ!」


 アルダーン・カスタムHEのロングレンジライフルが、的確に敵チャリムを排除してカリバーンの退路を確保した。

 カーライル中尉のお陰でアーサーは友軍の後方まで楽に撤退出来た。


「ありがとうございます。オリヴァーさん」

「俺も結構やるだろ?」

「結構どころじゃないですよ。フリージア隊のエース復活ですね」

「だろ? 少し待ってろよ。少しでも敵機を撃墜しておくからさ」


 カーライル中尉が友軍、後方から敵のチャリム部隊を狙撃していく。

(黙って待っているのはもどかしい。8分……6分……後3分ならいける!)


「オリヴァーさん、残り3分です。行きます!」


 アーサーは再び最大速度で敵戦艦に向かっていった。


「オッケー! 3分でたどり着けるように援護するぜ!」


 カーライル中尉が進路上の敵機を攻撃してくれているが、完全には排除出来ていない。

(流石に何度も同じ手は通じないか……それでも!)

 カリバーンの左手のトライ・レジェンズをアローモードに切り替えて、カーライル中尉が撃ち漏らした敵機を撃ちながら敵戦艦に近づく。

 続いて右手のトライ・レジェンズをランスモードに切り替えて、敵戦艦を撃沈する準備をした。

 対する敵チャリム部隊は、カリバーンの攻撃を阻止しようと戦艦のブリッジ周辺に集まった。

(ゴメン。それは予測済みなんだ)

 アーサーはカリバーンを下降させ、戦艦底部側に回り込んだ。

 そして、トライ・レジェンズを戦艦底部に突き立てた。

 ランスモードのビームが敵戦艦を貫き、ブリッジを守ろうとしていた敵チャリムを同時に貫いた。

 アーサーは次の目標に向かってカリバーンを飛行させようとしたがーー

 ビィーツ!

 警告音が鳴り、モニターにVVS2クラスのG.D.ウエイブ2基の検知情報が表示された。

(敵エース2機……イーサンとレイモンドか?)

 敵のエースはイーサン・アークライトとレイモンド・バージェスの二人だけではない。

 それでも、アーサーは二人だと確信した。

 戦闘開始直後に戦艦3隻撃沈出来るE.G.軍のエースはアーサーしかいないし、イーサンとレイモンドが見過ごすとは思えなかったからだ。


「これ以上、味方を死なせはしない」

「やるじゃねぇか銀色! 俺様以上に殺し慣れてるじゃねぇか!」


 予測通り、接近して来ていた敵のエース機はイーサンのリベレスティンとレイモンドのテトラトスだった。

 リベレスティンは武装を変更しており、今まで使用していたビームショットガンをビームライフルに変更している。

 前回の戦闘で射程が短いビームショットガンの弱点を突かれたからだろう。

 腰部に装備している、高威力のビームアックスも2本に増えている。

 テトラトスは腕が4本ある事を既に知られており、腕を隠す必要がなくなったから最初から全ての腕にビームライフルを装備している。

(装備を変えたのは相手もか……どちらが有利か分からない。それでも僕達が倒すしかない!)

 アーサーは二丁のトライ・レジェンズをアローモードに切り替えて攻撃を開始した。

 リベレスティンとテトラトスが左右のトライ・レジェンズから放たれるビームを避けた。


「アランはどうした? お前には用はない!」

「挨拶無しかよ。相変わらず殺意高い系だなぁ。このパイロット!」 


 余裕を見せるイーサンとレイモンド、だがーー

 無数のミサイルがリベレスティンとテトラトスを襲った。

 リベレスティン、テトラトス共に直ぐに回避してミサイルを撃墜しようとしたが、数が多く完全に落としきれていない。

 リベレスティンは今まで通りビームショットガンを装備していれば楽に対処出来ただろう。

 だが、武装をビームライフルに切り替えた事が裏目に出ている。

 ミサイルの爆発に巻き込まれて、折角持ってきたビームライフルを失い、装甲にも軽微だがダメージを受けた。

 テトラトスはビームライフルを4丁装備している分、リベレスティンより楽に対処出来ていた。

 それでも動きが制限されている事には変わらない。

 その隙をカーライル中尉は見過ごさない。

 ロングレンジライフルのビームがテトラトスの左腕を打ち抜いた。


「ふざけるな! 雑魚が! イーサンは銀色殺れよ! 俺様があの腐った緑色に死のブルースクリーンを見せつけてやる!」

「待てレイモンド! 単機で突出するな!」


 イーサンの制止を無視して、レイモンドのテトラトスがカーライル中尉がいるE.G.軍のチャリム部隊に向かって最大速度で突撃した。


「どうやら、僕の相手は君の様だね。イーサン・アークライト」

「仕方がない。俺がお前を倒せば良いだけだ。行くぞアーサー!」


 レイモンドのテトラトスは手強い相手だ。

 だけど、今のカーライル中尉と友軍のアルダーン部隊なら対処出来るだろう。

 今は目の前のリベレスティンを撃墜する事に集中すればよい。

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