表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀のシンセシス  作者: 大場里桜
前編:Grayish future
81/228

アルゲース攻略作戦4

 カリバーンのトライ・レジェンズの射撃に合わせて、シンセシス・ライフルで射撃を行ったがリベレスティンには直撃しない。

(流石に武装を把握された後では簡単には当てられないか……)

 前回戦った時はシンセシスー2の武装を知られていなかったから不意を打てたが、今のリベレスティンには簡単には当たらない。


「どうするアラン?」


 アーサーに問いかけられ、アランはどうするべきか悩む。

 このままイーサンを足止めしているだけでも、この戦いに勝利する事は可能だ。

 だが、押されているE.G.軍第二艦隊の損耗が大きくなれば、次の作戦に支障が出る。

 直ぐにイーサンを倒して第二艦隊の援護に向かえば問題を解決出来るが、簡単に倒せる相手ではない。

 アランとアーサーの二人の内のどちらかがイーサンの足止をして、第二艦隊の援護に向かう必要がある。

(第二艦隊の援護はアーサーに向かってもらおう。イーサンとは俺が戦う。ジェイクの事もあるからな)


「アーサー、第二艦隊の援護に向かってくれ」

「どうしてだい? アランを一人で戦わせられないよ」

「第二艦隊の損耗を抑える必要がある。イーサン一人に時間を割く事は出来ない」

「それなら僕がイーサンと戦う!」

「機体性能を考えろ。シンセシスー2は対チャリム用に特化している。だが、カリバーンは違う。あらゆる戦況に適応出来る機体だ。だから宇宙戦艦との戦闘を想定した対艦装備があるのだろう?」


 アーサーが黙った。

 本当はアーサーも気づいていたハズだ。

 敵の宇宙戦艦を撃沈するならシンセシスー2の武装より、カリバーンのトライ・レジェンズのランスモードの方が有効だ。

 アーサーが敵の宇宙戦艦を撃沈すれば戦況が覆るのは明白だ。

 それでも、アランが心配で決断出来ないのだろう。

 それなら決断を後押しする必要がある。


「グリント二等兵、敵艦の撃沈を命じる」

「分かりましたよバークス兵長。僕はお仕置き中で、下っ端ですからね」

「そういう事さ。でも下っ端だから祝勝会で奢らなくて良いんだ。全部カーライル中尉に押し付けよう」

「それは楽しそうだ。早く戦闘を終わらせよう! 行くよアラン。気を付けて!」

「アーサーこそ気をつけろよ!」


 アーサーのカリバーンが敵艦隊の方向に飛び去った。

 アーサーが去って弾幕が薄くなった隙をついて、リベレスティンがシンセシスー2に肉薄する。

 振りかざされるビームアックスを2本のビームブレイドで受けきる。


「アーサーがいなくなったが、一人でやれるのかアラン?」

「問題ない。大人しく俺の話を聞いてくれないか?」

「舐めるな! 一度負けている事を忘れたのか!」

「それは過去の話だ。今の俺は独りではない」

「ならやって見せろ!」


 リベレスティンが離れた後、ビームショットガンを撃った。

(完全に回避する事は難しい。だが、直撃しなければ致命傷にならない)

 アランはシンセシスー2のスラスターを全開にして回避する。

 イーサンは何故か得意な格闘戦を挑まず、ビームショットガンで攻撃を続けている。

 何度かの攻撃の後、モニターの映像が一つ消えた。

(そういう事か……やるじゃないか、イーサン!)

 アランは直ぐにカメラシステム『百目』を停止させた。

 シンセシスー2の全身のシャッターが閉じて、カメラとセンサーを収納した。

 直撃しなければビームショットガンの攻撃は装甲を削る程度の威力しかない。

 だが、剥き出しのカメラとセンサーにとっては致命的だ。

 シャッターを閉じてカメラとセンサーを収納した今なら、致命的なダメージを受ける事は無い。

 しかし、カメラを収納した状態ではAIモードを使用する事は出来ないから、シンセシス・ライフルによるオート攻撃を行う事は出来ない。

 射撃攻撃を防いだリベレスティンが、シンセシスー2を撃墜しようと接近する。


「さて、これで終わりだ! 地獄でジェイクに謝れ!」


 リベレスティンのビームアックスがシンセシスー2に迫る。

 アランは格闘プログラムを選び、攻撃のタイミングに合わせた。

 シンセシスー2が左手のビームブレイドでビームアックスを受け止めると同時に、ビームアックスを持つリベレスティンの左肘を右手で打ち抜いた。

 打撃を受けたリベレスティンの左肘がねじ曲がり、ビームアックスによる攻撃の威力が緩んだ。

 その隙に肩からリベレスティンにぶつかり吹き飛ばす。

(格闘戦で劣っていた昔とは違うんだ。シンセシスー2にはイーサン以上の格闘戦のプロの魂が宿っているんだよ!)

 突き飛ばして距離が離れたリベレスティンに向かって、シンセシス・ライフルのマニュアルモードで攻撃した。

 ビームがリベレスティンの装甲を抉ったが、直撃はしなかった。


「突き飛ばされた状態で避けるとは……凄い技量だな」

「何が凄い技量だ! 今の動きは何だ! チャリムの動きではない!!」

「俺も詳しく知らないけど、肘を破壊する動きだ。武術の技をチャリムの構造に合わせて調整したものらしい」

「何を言っている! 自分でやっておきながら!」

「自分でやっていても分からない事もあるさ。コイツは貰い物なんでね」

「貰い物だと……そんな軽い物で俺に勝てると思うな!」


 イーサンが激怒した。

 自分の力ではなく、他人に貰った力を軽い物だと見下している。

(イーサン……貰い物の全てが軽い訳じゃない。特にコイツはな……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ