アルゲース攻略作戦1
アランがアルゲースに周辺に辿り着いた時点で、既に戦闘が始まっていた。
両軍の宇宙戦艦の艦砲射撃の中、チャリム部隊が入り乱れて白兵戦を行っている。
(フリージア隊はハズレを引いたか。押されているな)
敵チャリムの攻撃でE.G.側の戦艦が一隻撃沈した。
戦艦フリージアの周囲にも敵のリベレーンVEが多数接近してきている。
アランはシンセシスー2を人型形態に変形させ、敵機補足システム『百目』を起動した。
シンセシスー2の全身に設置されたシャッターが開き、露出したセンサーとカメラが360度全方位の敵機を捉えた。
更に『Synthesis ver.2』を操作してシンセシス・ライフルをAIモードに切り替えた。
センサーとカメラが捉えた敵機をAIが自動で狙撃する。
アランは周囲の敵機への攻撃をAIに任せて、シンセシスー2を戦艦フリージアに接近する敵機に向かって飛行させた。
(お前に恨みはない。だが、そいつを落とされては困るんだよ!)
アランはビームブレイドで、戦艦フリージアに肉薄していたリベレーンVEを斬り裂いた。
そして、戦艦フリージアのブリッジと回線を繋げた。
「聞こえるか凛? アーサー達はどうしている?」
「アラン。アーサー達は第二艦隊の方に向かったわ。位置データをおくるわよ」
「ありがとう凛」
アランはAIモードのシンセシス・ライフルでけん制射撃をしながら、敵機に接近してビームブレイドで敵機を次々に撃破した。
そして、戦艦フリージアの安全が確保された所で、第二艦隊の侵攻ルートへ向けて移動を開始した。
(的確な対応で助かった。劣勢だったのに冷静だったのは凄いな)
アランは凛のシンプルで的確な対応に感心した。
久しぶりに再会したのに余計な事を言わず、敵機の接近を許した危険な状況であったのに冷静に必要な情報を送ってくれた。
凛はE.G.軍に所属していないが、立派な通信士になったといえる。
(さて、アーサー達が第二艦隊の方に向かったという事は、イーサンかレイモンドがいるという事だな)
アランは第二艦隊が戦闘を行っている宙域に辿り着き戦況を確認した。
第二艦隊は第三艦隊同様に苦戦していた。
既に戦艦二隻が撃沈されている。
(第二艦隊も苦戦しているか……それなら、残された第一艦隊が敵戦力が薄いところを攻略中って事だな。アーサー達は……そこか!)
アランは激しく飛び交う光の軌跡を見つけた。
光の軌跡が見える程、高速で飛び交う機体はアーサーのカリバーンとイーサンのリベレスティンしか考えられない。
ビィーッ!
アーサー達に接近しようとしたところで『百目』が砲撃を検知した。
アランはシンセシスー2を減速させると、目前を砲弾が通過した。
(シンセシスー2の進行ルートを予測した砲撃だな。移動を続けていたら直撃していた。アマンダか?)
「イーサンの邪魔はさせません!」
アマンダのリベレスティアがレールガンで砲撃してきた。
(予想通りだな。だが、カーライル中尉はどうしたんだ?)
「待てよ。お前の相手は俺だろ!」
カーライル中尉のアルダーン・カスタムがリベレスティアの後方から飛行してきたが、リベレスティアが振り返ってミサイルを放ち追い払う。
アルダーン・カスタムが後退しながらビームマシンガンでミサイルを少しずつ撃破していく。
だが、再び距離を離され、周囲のリベレーンVEからビームライフルで攻撃を受けている。
ギリギリのところで直撃を避けたが、リベレスティアには接近出来ない。
「くそぉぉぉぉっ! しつこいんだよ! お前ら!」
カーライル中尉が叫んだ。
「カーライル中尉、こいつは俺が対処する」
「済まないアラン。周囲の敵は俺に任せてくれ!」
「分かった。早くかたずけて新しい部下に命令しよう!」
「新しい部下? 補充兵なんていなかったと思うけど?」
「いるだろ。アーサー二等兵が」
「そうだった、そうだった。いたな新しい部下! もう一度俺の部下にしてやるって言ってやらないとな」
「なら、戦闘が終わったらカーライル中尉の奢りで食事に行こう」
「何で俺の奢りなんだよ」
「階級が一番上だからだ」
「戯れるな! 私を舐めているのか!」
アマンダが激怒した。
通信を繋げたままだったから、カーライル中尉との会話が聞こえていたようだ。
(今まで敵と通信するなとイーサンを注意していたのに、当たり前の様に敵である俺と通信をするなんてね。イーサンに似て来たんじゃないか、この副官さんは)
アマンダのリベレスティアが肩部のレールガンとビームライフルで攻撃してきているが、アランにはカーライル中尉と会話する余裕がある。
射撃の腕は悪くない。
他の一般兵より優れたパイロットだろう。
それでも、イーサンやレイモンドと比べたら格段に実力が劣る。
(さっさと撃墜するか。友軍に被害が出ているのでね)
アランはリベレスティアをへの攻撃を開始した。




