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心の鍵  作者: タルト
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光と影 3


 席が変わって、初めての授業は国語だった。

今は古文を習っている。

【思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを】


 古今和歌集の恋の歌だ。

好きな人を思いながら寝たら、好きな人に会えるだろうか。

もし会えるなら、夢から覚めないのに。


 好きな人を思った片思いの恋の歌だと朱莉は感じた。

朱莉はこの歌に共感出来なかった。

(なんで人を好きになるんだろう?感情なんて自分を苦しめるだけなのに・・・。)

窓から見える景色は桜も散り、青々とした葉が茂っていた。

「姫戸は、この歌をどう思う?」

呆然と外を眺めていた時、突然先生に呼ばれた。

「・・・。切ない歌だと思います。」

「切ない歌?」

国語の先生は朱莉に聞いてきた。


 この歌は、好きな人と結ばれていない。

結ばれるか分からない。

それでも好きな人を思った歌。

朱莉は自分が感じた事を伝えた。

フラれたら辛い思いをするのは自分なのにどうして恋をするのか朱莉は分からなかった。

説明を終えると先生は納得したように黒板に向かった。

「姫戸ってやっぱり頭いいなぁ。」

声をかけてきたのは涼太。

朱莉の隣の席の男子だ。

「そんな事ないよ。」

いつもの様に微笑む。

「ん?」

涼太は何か疑問を持ったかの様な声を出した。

その声に朱莉も反応し涼太を見た。

「姫戸って、無理して笑ってない?」

言葉がなかなか言葉が出てこなかった。

初めてだった。

作り笑顔に気付いた人は。

朱莉の顔には驚きが隠せなかった。

「ごっごめん!!」

涼太は生きよい良く立ち上がり朱莉に頭を下げた。

「えっ!大丈夫だけど、天満今授業中・・・。」

「あっ・・・。」

ゆっくりと黒板の方に顔を向ける。

そこには、鬼の面をつけた先生の姿があった。

「そうか、そんなに先生の授業が詰まらないか。」

「やんっ。そんな先生の授業は楽しいですよ。」

満面の笑みを先生に向ける。

「天満は昼休み資料室の掃除な。」

「それはひどいって!先生!」

涼太の声をスルーし、先生は授業を再開した。

ずっと立ったままだった涼太は肩を落とし、席に着いた。

「天満ごめんね。私のせいで・・・。」

「えっ!いやいや、俺こそ変な事言ってごめん。」





 今回の古文などは私の趣味に近いかもしれません(笑)

このお話は私の好みがかなり影響すると思います・・・。

   すみません(汗)

  ですが、楽しんでもらえるとうれしいです❤

 

  あっ!ユーザー名を変えました(笑)

 【・姫林檎・】から【タルト】にしました^^

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