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白の英雄譚  作者: 東ノ店
第一章 最低で無価値。 転生編
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6/15

冒険の始まり?

 しばらく経って、冷静になるとわかることがある。


 確かにこの体は強いが、そもそもこの世界の平均がこれなんじゃないかってこと。あと、ここは小ちゃい無人島だってこと。空から見えてはいたが、まさかここまで小さいなんてな。


 誰もいなければ、何も見えない。

 海!!と、海がものすごい主張をしてくるだけだ。


 ここは異世界の中でもさらに異世界だ。


「異世界、ここ異世界だぞ。なんだって最初にいるのがこんな無人島なんだよ。てか最初は海の中にいたんだし、意味わからん!」


 冷静になってみれば、「異世界だ!」なんてぬか喜びは消えていた。賢者タイムだ、まったく。


 今絞れているのはざっと二択。


 この世界に元々いた身体に転生したのか、それとも俺に与えられた初期スキンなのか、だ。


 前者、めんどくさい。

 後者、めんどくさい。

 結論どっちもめんどくさい。ちきしょう。


 前者なら。この身体の旧友にでも会った時、色々と説明がめんどそうだ。あと、こいつが生きていたのか死んでいたのかもわからない。


「ま、生きてたとしても身体奪われる方が悪い。うん」


 で、後者は明白だ。


 前者と違って、ここに人が通る確率が一気に下がる。


 流石に人通りのある所に転生したと思いたかったけど、しばらく砂浜で座っていても人の気配なんて全くしなかった。船の一つも通らないって、やっぱあの化け物のせいだよな。


「まずはあれを何とかして、ここから自力で出ろってか」


 俺、チュートリアルはAボタン連打で飛ばすタイプなんだけどな。


「クッソ。なんだってこんな無人島スタートなんだよ」


 俺にはもう寝転ぶことしかできない。


 すると、太陽はすでに真上にはなかった。


 てか太陽ってどっちからどっちに傾くんだっけ?まあどうでもいいけど。


 こうやって寝てたら海風が丁度気持ちよくて、ここも天国みたいに感じれて良いんだけどな。

 

 なんて考えたら、心臓がわざとらしく鳴ってきた。頼むから止まっていてほしい。


 …………。


「てかほんとにどうすんだよ!ふざけんなよ!」


「なんでこんなクソみたいな場所から俺の冒険が始まんだよ!」


 このままだと、ここから出れないまま終わるかもじゃねえか。


 せっかくの異世界を?こんな無人島で?じわじわと終わるだけ?呑気に寝てる場合じゃねえよ、どうすんだよ!!


 俺ほんとにこっから始めんの!?はぁ!?


「ざっけんなよ!!」


「・・・まあしばらく考えるけどさ」


 俺の冒険の始まりが、まさか無人島からの脱出からなんてな。絶対ゲームの種類間違ってるだろ。


 ゲームならもっと簡単にしてくれよ。難しいゲームとクソゲーは別だぞ馬鹿野郎。


 




 

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