魔王たる故に気まぐれで、魔王たる故に自由にしたい
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
すみません。近々、サブタイトルと内容を修正するかもです。ちょこちょこといじるので改稿がついていたら、覗いて見てください。
パニシャを閉じ込めた鳥籠がポーンと宙に浮いては落ち、ハインの手の中でそれは繰り返された。
ハインは、鳥籠をラスクに投げるといやらしい笑みを見せ、以外な言葉を口走った。
「パニシャ……飽いたわ。これはおまえに一任したよな。グレイ、処分は任す」
「飽きた? あんなに憎んでおられたのに」
「飽きた。憎いは、憎い。だが、飽きた。気持ちと気分は違うぞ? それよりラスク、おまえに魔本渡したよな」
「あっ、うん。ここに」
ラスクは、胸元から本を取り出した。それほど分厚くも薄くもない本の装丁は、表裏に羊革が張られ、古代文字と月桂樹の葉が、凸凹にデザインが綺麗に施されていた。
「うむっ、ラスク。【賢者】を、修得する気はあるか?」
ラスクは、ハインの言葉に驚いた。
「悪魔にも、賢者はアリなの?」
「あるさ。ただ、【闇】のと言うだけで学ぶことは【光】と変わらん。そこな、古代魔法本をおまえが修得するんだ」
「へぇ、僕が」
椅子に腰掛ける、二人の前のテーブルの上に足を組み座るハインがいた。
ラスクは、本をテーブルに置くとグレイに鳥籠を渡す。
「でも、この本は契約が必要なんでしょ?」
「ああ、契りの結びな。俺、おまえがどう契約するのかが見たい」
(それを参考に、ラスクの今後を考えよう。それから、ノアのところへ……)
ニタニタと厭らしく笑うハインに、ラスクはたじろいでいる。ハインはハインで、ただ早く遊びたいうだけで魔本をラスクに渡したのだ。
(わあぁ、おじさんの悪い癖出た。最初は自分が契約するつもり満々……ん。待てよ。まさか、おじさん。この本の中身を……)
「おじさん、まさか、あの時の精霊とのやり取りでまさか、中身を……」
「フン、だとしたら?」
城に戻る前、ハインが本の精霊と取り交わしていた蜜事を思い浮かべた。
「この人を敵に回すと怖いかも……」
ポソッとついた小言を、グレイに聞かれラスクは、照れた。
そして、本に触れた。
この本の契約には色々な契約の仕方がある。
まず、魔本の主を起こす。
姿形はその本の契約者が想う姿をしている。
身体で契るか、力で従えるか。はたまた……
テーブルの上に置かれた本はカタカタと震えている。何かが、中から出たそうにしているのか、徐々に激しさを増していった。
そんなおりに、オリバーが扉をノックせずに入ってきた。
「ハイン、パニシャを捕まえたと聞くが」
「ああ、ここにおるぞ」
扉は、ハインが蹴ったことにより痛んでいたが、余計に壊れてしまった。唖然として扉を見たグレイがぼやいている。
「あなた達は、モノを大事にしないのですか。まったく」
グレイの一言に、ムッとするハインがいた。
「グレイ、おまえ。悪魔なのにケチ臭いよな。良いじゃないか扉ぐらい」
ハインが指を鳴らすと、扉が直る。
「では、一つ聞こう。そこな檻にいるヤツはどうする。ん」
「それは……」
「だろ。いちいち気にするな。ほんとに」
「そうです。確かに」
ハインの一言で、緩くなり始めてることに気付いたグレイは、考えてはいけないことを考えた。
やはり、気が緩んでいたらしい。
パニシャの鳥籠には、縛は張ってあっても、障壁は施されてはいなかった。
話しは勿論、筒抜け。思考も筒抜けであることをグレイは忘れていた。
(ハイン様の御子が生まれたので、また、教育の虫が……)
「グレイ……」
青ざめるハインと、グレイは目が合い、ハッと頭を冴えさすが、もう手遅れだった。
思考はパニシャに読まれ、縛られているパニシャが鳥籠を壊そうと、縛られているモノ全てに魔法をかけ始めた。
「何? 孫。私に孫とな」
嬉しそうに言葉を吐き捨てるパニシャは、憤慨し、自分に掛けられた足枷や、紐を剥ぎ取ろうとしている。
「ハァ、グレイ、オマエなぁ……」
「すみません。思考に壁を張るのを忘れておりました。失態です」
「ああ、無様な。ったく。オリバー手伝え。いいな」
「ああ、勿論だとも」
古代魔法の呪力が鳥籠の中で暴れている。
「俺、ゆっくりしたかったな」
「すみません」
傍らに控えるグレイが先端が鍵になった錫杖をハインに渡す。
「ラスク、魔本に血を垂らしておけ、そして身につけ、念の為。ノアの所に行け」
「あっ、うん」
ラスクは言われた通り、魔本に血を垂らす。
その様子を見届けたハインが、ラスクに目で合図した。至急、ラスクは槍で床を突き、ノアの所へと姿を消していく。一言残して……
「ハイン、待ってるからね」
「フッ、可愛いことを言うじゃないか」
ノアの所へと行くラスクを見送るとハインは錫杖を床に大きく打ちつける。
床に円陣ができ、大穴が開くと、三人と鳥籠はその大穴に落ちていった。
「ハイン、何処へ」
「無限氷炎監獄へ」
錫杖の先端に施された鍵は無限氷炎監獄というなの牢の扉の物だった。
落ちて行く者たちは、空気の流れが周りの景色を凍てつかしているのを感じ、身を縮込ませている。
行き先を聞いたオリバーは、軽く装備を整えている。
「そんなのいるか?」
「一応な。地獄は肌に合わん」
鼻の穴を広げ、いそいそと用意するオリバーをハインが大声で笑う。
「耄碌はしたくはない」
「私はまだ、ぼけとらんし日和っとらん」
「どうだか」
大声で笑うハインは、落ちている間、ずっとオリバーを揶揄っていた。
落ちた先に、足を着けるハイン達の横で、鳥籠がコロンと転がっている。
パニシャと対面する、ハインがいる。
「改めて、我が息子よ」
黒い呪文を障壁として纏い、不適な笑みを浮かべるパニシャがいた。
お疲れさま。ありがとうございます。前書きで話した通りのことが起きたらお願いします。また、ブクマの登録と広告↓の☆ポイントお待ちしてます。
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