鳥籠に納めるものは美しいものでありたい
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
蒼白い炎がまだ立ち込める地面に立ちはだかるパニシャとハインが両者が激しく睨み合うとますます地面に亀裂が生じる。
「世の理不尽さと誠実さ? 誠実だと、おまえでも思うのか」
「フン、言うてみたまで。フフフ、思うわけなかろう! 俺はいつでも理不尽と不誠実と淫らに埋もれてる・・・」
(今の感情は、母殿を亡くした時の感情だ。そして以前ノアが口にした言葉。いかん、自分に甘えが生じておる。ムカつく!!!)
「グレイ、杖を貸せい」
「はっ」
杖を手にしたハインは地面を二回小突き炎を燃え上がらした。
「エセ天使おまえ。まだ母殿の翼を持っているだろう」
言われてパニシャは、自分の胸に手を偲ばすと漆黒の中に銀を携える変わった色の翼を出した。
「これか、カノンはいい女だったからな。身体の相性が良くあった。おまえも人間の娘と相性が良いから手元に置いているんだろうが、フフ」
「・・・なぜ、知ってるかは置いておこう」
「いいのか、置いておいて。娘のことを知ってるのだぞ?」
「ああ、だからと捨て置く問題でもないが、今は目の前にきさまがいる。それだけで今は嬉しいなぁ・・・«重力式暗黒電雷磁縛»」
不意を突き呪文を唱えるハインに驚き態勢を崩すパニシャの両足は雷の磁場で捕らえられ身動きが取れないでいる。
「ガキが小癪な」
「ほう、俺をガキ扱いか。ククク」
足場を捕られたパニシャが、藻掻き苦しんでいるとハインの号令とともに宙に魔法陣が現れある者が円陣から出てくる。
「ラスク!」
「なっなにィ────」
槍を携えたラスクがパニシャの翼を持つ腕を切り落とした。
「おじさん、突然すぎるよ」
切り落とした腕を持つラスクがハインの横につくと奪った腕を渡している。
「母殿・・・」
翼を、持ちかざすとハインはいきなり燃やし始めた。
「何をするっ、きさま」
「いつまでも女々しくもたれていては母殿が不憫でな」
怒るパニシャを余所に、燃えていく翼をハインの紫水晶の瞳が優しく見守る。
「ハイン様、良いのですか? それこそ福音を使って」
「グレイ、コレはコレで良いんだ」
「・・・そうですね」
燃え散り灰と化す翼を見送ると、ハインは静かな瞳でパニシャを見つめ、あることを持ちかけた。
「おまえ、まだ古代魔術の知識を持っているよな。ソレは本か? 石版? それとも叡智の精霊?」
「ハッ、渡す訳なかろう。あんな特大級の代物────」
「ほう、ココか」
足場を捕られ動けないパニシャの胸に手を強引に入れると弄り始めた。
「ガハァァアア、やめろ。かき回すな」
「ハハ。なんでもかんでも、胸に隠す己を悔やめ。ギャハハ」
苦しがるパニシャを弄ぶハインが胸の中で手に掴めるモノを引きずり出した。
「ガッハァ」
「ほう、コレは小さな精霊? か」
手のひらサイズの女の子は、ハインに握り締められぐったりとしている。
「ほうほうほう、コレはこうしてコウッと」
「ハイン様。ソレは」
「叡智の精霊、古代のな」
「離せ。返せ。ソレを」
尋ねるグレイの顔を見た後、ハインはパニシャを見て顔をニヤけやす。
「返せとな。俺が学習してから返してやる」
手に持つ、女の子の体に術印を施すと手のひらサイズの子は大きく、大人へと変化した。
「なんとも艶めかしい姿。そしてコレをこうすると」
大人へと変化した精霊の唇をハインは奪うと激しく舌を這わせ吸いつくすように・・・・・
そして、満足して唇を離すと精霊の姿は本と化した。
「フフ、取り込むのには体を契り、契印が必要そうだから今は本に戻れ。ラスク、ほら」
本をラスクに向け放り投げ預けると、またパニシャを見た。
「ふむ、疲れた。きさまは離してやる」
「はぁあっ? 何だソレは、憐れみか?」
「いや。気まぐれ」
指を鳴らすとパニシャの磁場を解き、ついでに腕を返すハインがいる。
「ハイン様、気は確かですか? 三界の不協の元ですよ」
「じゃぁ、グレイにやる。倒せ」
「見くびられたものよ。腰巾着に私が倒せるとでも」
斬られた腕を繫げるパニシャの行動を目にすると、グレイはハインから受け取った杖の先端を向け呪文を唱えた。
«玩具縛糸籠»
鳥籠にパニシャを閉じ込めると一息つくグレイがいる。
「すみません。持ち帰っていいですか」
「ハァア。俺、パニシャであれ男のこんな姿は見たくない。女みたいな綺麗な男ならいいが」
「ハイン様・・・」
鳥籠に囚われるパニシャを見てげんなりするハインにグレイは溜息をつき笑った。
「まぁ、おじさんらしい言葉だね。おじさん、コレは僕が持っていても良いのかな」
「おお、持っててくれ。グレイのは、持ち帰って処分でもいいだろうが、とりあえずは。招魂だ」
「はい、ですが。暫しのお待ちを」
鳥籠を小さく、手に持つサイズにするとラスクに預けた。
「あれ。僕、今日は荷物持ちなの」
「クスクス、ラスク。そんなことはありませんが、持っていて下さい」
「良いもの見られる?」
「ええ、お見せしましょう。ハイン様も特大の秘儀を持たれましたし」
「え、それって」
「まぁ、勉強して下さい」
言葉に胸躍らすラスクの様子にグレイは可愛いからか、笑いながら頭を撫でる。
「グレイ、俺は帰りたい。ヤキモキが収まらん。早く帰ってノアかルーを抱きたい」
「子どもの前で不埒すぎますハイン様」
「フン」
宙に浮くハインとグレイを教会の屋根の上で見るラスクがいる。
「うわぁ。楽しみなのに君、五月蠅いね」
手に持つ鳥籠の中では、パニシャが何やら叫いているが、あまりの五月蠅さに布で包み胸に入れるラスクだった。
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