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無責任な魔王は常に◯◯する。  作者: 珀武真由
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悪さをする魔王のせいで小さき者が驚き飛び出る

おはようございます。


 ハインの言う通り、シフォンがノアの屋敷へ引っ越していった。

 ラスクは、人の抜け殻と化した部屋に一人佇み考えている。


 「僕、シフォンよりも()()()()()()()の方が気になるんだよね」


 空になった本棚に持たれ、ぼやいてるとアデルとオリバーが部屋に本を持って現れた。


 「お爺ちゃんズ。なにしてるの」

 「いやぁ。一つ部屋が空いたので遊び部屋にでもと思ってな」

 「ふうん」


 (こうやって埋まっていくんだよね。人の住み家って───うーん、微妙な心境)


 空き部屋の本棚に好きに本を並べるオリバーとアデルを見て傷心に浸るラスクがいた。


 「どうした? ラスク」

 「いやっ、別に。おじさんは」

 「ハインなら、ノアのところでは」

 「シフォンもかな」

 「いやっ、シフォンは、グレーとレインのところに行ったから、本当にあの二人だけではないかな」

 「ありがとう。じゃ」

 「何? ハインのところへ行くのか」

 「うん、ノアのお腹の子の様子をちょっと見てくる」

 「そうか。では、ハインに渡してくれ」

 

 オリバーがあるモノを放り投げ、受け取るラスクがいる。


 「柘榴(ザクロ)?」

 「ああ、新しい力を得たハインの身体を潤すはずだ。渡してくれるかな」

 「うん、渡しておく」

 

 手のひらから槍を出すラスクは喜びノアの屋敷へと跳んだ。


 「ほう、あの坊主は余程ハインが好きとみえるな。まだ色恋沙汰には興味なしか」

 「まぁ、まだ若いし、男の子だしな。さぁ、オーちゃん、それより片付けを」

 「ああ、そうだな」


 手に持つ本を空いている棚に入れていくオリバーとアデルは自分たちの思うように部屋を替えていく。

 なぜかしらぬが、魔王城に居着くオリバーだった。


 昨日は、落ち込んでいたラスクだが、今日は上機嫌である。


 (僕、今はシフォンより、ハインおじさんの方が。シフォンは好きだよ。甘えたくはなるけど、今は・・・)


 頭の中で、いろいろと整理するラスクが辿り着いたのは、ノアの屋敷の庭にある、岩に囲まれた静かな露天風呂だった。


 「プハァ。なっ、な」

 「おいっ、ラスク。有頂天だな。まぁ、いいが。風呂は静かに入れ。なぁ、ノア」

 「ふふふ、ハイン様。ラスクが降ってくるのご存知だったでしょ? もう、いじわるな言い方です。ふふ」


 ハインは、股の間に落ち着かせているノアの肩を抱き寄せるとまぶたにキスをしている。


 「お、おじさん。知ってたなら教えるか、どこかに誘導してよね。そしたら降りるところ考えたのに」

 「・・・ラスク。それぐらいきちんとトレースしろ。敵地だったらどうする。おまえはむやむや敵の餌食になるのか。フフ」


 ノアの胸に顔をうずめ、ラスクを軽く笑うハインがいる。


 「もう、そんなこと言いながらコラ、そこはダメです。どこを触るのかしら、困った父さまですこと」


 《「チチはスケベ(コポポ)。ラスクはセイジツ、セイジツ(ポポオ)」》


 「ううん。子どもの口が辛い。ノアが最近やらしてくれないから」

 「だって、ご、ごめんなさい。そのぉ」

 「フッ。まぁ、こうやって肌を合わすだけでもって、ラスク。いつまで見てる」

 「ノア、お腹が大きくなったね。しかも胎児がはっきりとモノを言うように。クスッ」

 「ラスク。本当におまえは感能力が高いな」


 片腕でノアを持ち上げるハインはラスクに近づくと腕を引き寄せ肩に担いだ。


 「いつまで服着たまま入っている。逆に風邪引くぞ」

 「えっ、おじさん一人で出られる」

 「一人担ぐのも二人も一緒だ。ほら」

 

 担がれ風呂を出るラスクはハインの背を叩くと照れた。


 「で、シフォンとの答えは出たのか」

 「僕、とりあえずは。伝えたよ」

 「誤解のないよう答えとけ。時に女は誤解し、勝手に怒るから怖い」

 「まぁ、ハイン様」


 話しを聞いていたノアがハインの頭を軽く小突き頬を膨らませすねている。


 「ノア、二人担ぐ中、暴れるな。落とすことはないが危ない」

 「ふふふ、ハイン様。おかしい」

 「そうか」

 「最近、柔らかい気がしてなりません」

 「そんなことはない」


 ノアの言うことを否定するハインだが、ラスクには覚えのあることばかりなので鼻で吹き笑っている。


 「あっ、おじさんに渡す物があるんだ」

 「ン、ふうん。後でいただこう」


 担ぐラスクを横目で見ると、次にノアの腹を目にし、牙を立てるハインは口の端が笑うが同時にノアと腹の中の胎児がわめく。


 「あっ、ハイン様。それの牙はダメ、お腹」

 《「チチ、シゲキがツヨイ。噛む。ダメ」》


 「ン、腹。ェ、まさか」


 慌てたハインはノアを降ろすと膨れた腹が動き出した。隣のラスクは気づき、驚いている。


 「ノア、大丈夫か。たぶん、取り上げることは出来るが基本は────」

 「フフ、大丈夫です。それに出てくるのは、()()です」

 「ひとり・・・」

 「ええ、私とハインさまのぉ」


 ノアの表情が一時歪んだあと、初声が上がると、風呂場に響き渡った。


 「ふふふ。男の子、しかも両肩にほら、魔刻紋がはっきりとそれにかわいらしい翼」


 ノアがゆっくりと取り上げた子をハインに渡すと満面の笑みで喜んだ。


 「あとの子が小さくて良かった。大きなお腹だったら今頃その子はうまく取り出せず、頭にコブが出来てますもの。フフ」


 小さく膨れる腹をさすり幸せいっぱいの笑顔のノアにハインは照れ褒めた後、小言をつぶやいた。


 「オオ、俺が父親かぁ。実感ないなぁ」


 照れ笑いをするハインの横では、ラスクが声を震わしノアを褒めるが、両瞳(りょうめ)からは雫が溢れる。


 「フッ、ラスクも触れるか。子のなんて柔らかいことだ。コッチまでとろけてしまいそうなぐらい柔らかい」


 初声が静まり、腕を軽く動かしもがく赤ん坊がラスクの指を握ると無垢な笑顔が飛ぶ。


 「わぁ。小さい」


 感動するラスクがいた。

 


 

お疲れ様です。まだ勉強不足を痛感します。

あと、ブクマ、ポイントの登録お待ちしてます。あと、「白き」改訂版興味ある方はまたの機会にお願いします。おかげさまで、ハインもここまで続いてます。ありがとうございます。

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