魔王の俺に逆らい意見するチビがいる
おはようございます。こんばんは。こんにちは
ノアの屋敷は、相変わらず白く奇麗で、たまに壊したくなるハインだが今日は違う。
壁の白さ、天井の白さに目を配らずに、ノアだけを見つめ抱きしめた。
静かに抱き合い、身体を寄せる二人の鼓動は重なり同じ音・を奏で風は、二人を優しく包み撫でそよぐ。
小鳥が入って来ると二人が腰掛けるベッドの上で毛繕いや、布団をついばんだりと、やりたいことをして羽根をくつろがせ遊ぶ。
「ぷはっ、ハイン様」
力の限り、強く抱きしめるハインの胸に顔をうずめていたノアが、大きく息つぎをすると、ハインが腕の力を弱め吹き出した。
「フッ、すまん。苦しかったか?」
「少しだけ・・・いえっ、死ぬかと思いました。でも、ハイン様の腕の中でなら」
優しくほほ笑むノアに、ハインは気を許すと耳と頬に軽くキスしその後深く口付けた。
ますます顔を赤らめるノアがおり、ベッドのシーツの布が擦れる音に、くつろいでいた鳥たちは、驚き羽ばたいていく。
ノアを見つめるハインは、そのまま頬にキスを繰り返しベッドに押し倒した。
「今日のノアは────。俺より強いような気がする」
「だって、一児の母ですもの。あっ、違う二児だわ。まだ、お預かりはしてませんが、ルー様の御子さまもお預かりすると二児だわ」
笑い合う二人の肩に、蝶が飛び交うと驚くハインがいた。
「蝶、いつからいたんだ」
「ふふ。最近、気が付くとよく隣で舞ってますよ? あら、動いた」
《トクン・・・コポコポ。トクン》
いつもの心地よい音はするが、耳を貸すハインは今日は違った。
(何で気が付かなかった。白妖精の祝福を受けている。魔王の子だが、祝福は平等にあるのか。それとも天使の血も継いでいるからなのかは分からないが・・・だがそれだけで祝福を。加護を受けられるモノなのか?)
「ハイン様? あと、何を隠しているのです。ルー様のことにしても、本来理由がなければ私に預けたりはしません。相思相愛の御子です。おかしいです。それに、悲しいです」
「悲しい?」
「はい」
ポツリとつぶやくノアの言葉にハインは考えさせられる。
(悲しい・・・・・よくわからん)
ノアの膨らんだ腹をハインが見て考えていると、それに気づいたノアが懐妊腹にハインの手を置き添えた。
「ふふ、生命って不思議」
つぶやくノアの言葉にハインはいきなり懐妊腹を撫で抱きしめうなずいた。
「そうだな。きちんと脈動している」
「そうですね ・・・・・・? ハイン様」
尋ねるノアは、ハインの重さを感じるとただ落ちつき何かを待った。
一緒に、寝転ぶハインがノアの髪をいじり溜息をつくとポツポツと話し始めた。
「先ほど、爺と戦ってた」
「えっ、アデルおじい様と?」
「そう。たぶん『魔王』のままだな」
「??」
「イヤッ。これは独り言だ。気にするな」
ノアを抱きしめ、髪に顔をうずめ甘えるハインがいる。
少し深呼吸をすると、先ほどのアデルとのやりとりを思い出し、ノアの身体をさらに強く抱きしめるが、いきなり腹の中の胎児にハインの腹は蹴飛ばされる。
《──ドクン、─コポッ》
「ハイン様?」
胎児の躍動を感じ、驚いたノアがハインの様子をうかがうとハインは、その横で身をよじらせ苦しんでいた。
「クゥ─────ゥ。なんて蹴りだ。まだ胎児の分際で、父を」
「えっ、ええっと」
身体を起こし、オロオロとハインを撫でるノアとは逆に、胎児は、怒っているようである。
《ドクン。ドクン・・・ゴポポポ》
《(おいっ、いつまでそうしてる。チチよ、ハナせ、ウゴけ。このスカタン)》
(ン、精神感応だと? まだ胎児と言っても、胎動がやっとのはず・・・・フッ、ラスクもそうだが、子に叱られるとは)
「ノアよ。今の聞いたか」
「何をでづっ、痛っ」
うっすらと膨らんでいた腹にそうように、足のようなモノの輪郭が一瞬出てくるのと同時に悲痛を叫ぶノアを心配するハインだが目撃した形にも驚く。
「なっ、ノア今、足を見た気が・・する」
「ッフフ、お風呂に入っているときにたまにあるのですが、お腹は目立ってないし、この間の診察では、輪郭はまだ小さいものでした。不思議です」
「痛むのか」
「ふだんはないのですよ。こんなに激しいのは、今日が初めてです。フフ」
「そうか。大事ないならいい」
ノアの腹に手を添え考えるハインがいた。
(ハナせか・・・まぁ、おいおい話すが。今は──────────)
「ノア、一つ聞きたい。子を孕んだとき、なにか刻印が身体に無かったか?」
「刻印?」
「このような」
手のひらに、魔刻紋を浮かせノアに見せた。
「あらっ、それは・・・ええと」
頬を赤らめ照れるとノアは、スカートをまくり股の間をハインに見せた。
「ン?」
「ここです。赤くミミズ腫れしているのわかりますか?」
「ン? ミミズ?」
開かれた股を見るため片足を持ち上げハインがマジマジと見ると確かに赤く腫れている痕がある。
(確かに赤くミミズ腫れはしてるが)
《ペシッ》
「イテッ」
「もう、離してください。いつまで持ち上げるおつもりですか。苦しいです」
顔を赤らめ叩き怒るノアの表情がいつもと違い、ハインにはオカメ面が赤くなっているように見え足を離すと腹をよじらせ吹き出した。
「ノアでもそんな顔をするんだ。すっごくブサイクだ」
「なっ、な」
照れるノアがいきなりハインの顔に往復ビンタを決めると次に身体を突き飛ばしベッドから落とした。
「えっ、私、あのぅ」
床に落とされたハインが驚いているとまたノアの腹から声がする。
《ゴゥポッゥ───ドクン》
《(チチよ、ハハをわらったな)》
「ノア、今の聞こえたか」
「いえ、なにがですか?」
床に尻を着いていたハインが立ち上がるとノアの腹を睨む。
(どういうことだ。腹にいるからとノアを操るとは・・・説教だな)
《ゴゥポォッ────ッドクン》
《(ハラから出たらうけてたつ)》
「ホホゥ、楽しみだ」
ベッドの上に座るノアの腹に顔を近づけ、ニヤついているハインに不思議がるノアがいる。
「ええと、ハイン様。この子と会話してます・・か?」
「フッ、我が子ながら感心させられるが、ノアには聞こえないのか?」
「残念ですが。ただ」
「ただ? どうした」
何かを言おうとするノアの腹から大きな音が鳴り響く。
「ハハッ。すまん。そうか、腹が減ったか」
「ううっ、すみません」
ノアは、腹を押さえ恥じらい照れると、もう片方の手でシーツをつねりもじもじしている。
ノアの腹を撫で笑うハインは身体を気づかい尋ねた。
「気分は? どこか調子がおかしいとことかあるか?」
「いえ、どこも。至って健康です」
「俺の子よ。今から跳ぶが耐えれるな」
《ゴポポポ!! ドクン》
《(フン)》
ベッドのシーツをつかみ恥じらうノアに、ハインは笑い、キスと同時に指を鳴らし跳んだ。
「我が城、魔王城で、食事をしよう」
ありがとうございます。




