壊したい、トケタイ、そして壊したい・・・
おはようございます。こんにちは。こんばんは。またお付き合いしてください。
「はぁい、ノアちゃん。元気だった?」
「あら、ルー様。ご機嫌よう、元気ですよ。ルー様はお元気?」
ノアの屋敷を訪れ、手を上げ微笑むルーに、返事を返すノアがうっとりとしている。
(相変わらず綺麗な姿に綺麗な翼。天使様は皆がこうなのかしら)
カップを二つ、テーブルに並べ、ノアがポットに湯を注ぎ紅茶を淹れている。
ルーを視るたびにノアは微笑む。
(うわぁ、落ち着くなぁ。この子の笑顔。あれれ? でも何だろう。今チクッとした。なぜ)
マジマジと眺めるルーに、照れ笑いを浮かべノアが問いかける。
「もう、どうされたのです?」
(あれれ? やっぱりチクッとする)
紅茶が淹れ終わり、ルーにカップを渡すノアだが、ルーに胸と尻を触られ、身体を弄られながら、床に押し倒された。
何かをルーは確認している。
「なっ、どうされました。ルー様ッ」
話す間もなく、口付けられ驚くノアと、何かを確信するルーがいた。
横には、ノアが渡したカップが転がっており床には淹れた紅茶が拡がる。
「赤ちゃん」
「はい、授かりました」
顔を赤らめ、微笑むノアを、ルーは愕然として見つめるとゆっくり離れた。
「あっ、いたたた」
「ごめん、大丈夫。おめでとう」
「ありがとうございます。ルー様……あ」
隣に座っていたルーがいきなり消えた。
「ルー様」
(……幼なじみと聞いてます──。ですが、あなたもハイン様を………)
空を眺め、少し思いにふけるノアがいた。
先ほどまで晴れていた空は、雲行きがあやしく、今にも雷が鳴り響く雰囲気である。
ノアのいる場所の空と、同じように広がるこの空は、魔王城の上ではかなり進行しており、雷が小さく鳴り響く。
「ふう、最近忙しい。ノアは壊せないし、ラスクは鍛錬と・・・・まっいいか」
小言を漏らしながら、本を読んでいたハインが目をふと外にやると、ルーが立っている。
「ルー、いたのか。どうした」
「赤ちゃん、おめでとう」
「ああ、聞いたのか。ありがとう」
「《種有り》だったんだ」
「《種》って、いきなり………」
ルーの言葉に深く溜息をつくハインがいた。そして手に持つ本を棚に戻す。
《悪魔は木の股から生まれる》まぁ言い伝えだが、あながち間違いではない。
悪魔は寄生して生まれる者もいれば、途中で変換する者、物が変化した者と様々で《腹》から生まれる者は稀なことである。
「ふぅ。俺の本来の姿───ルーにも見せたことはないな」
「えっ?」
驚いたルーが目を丸くしていると、ハインの背に十三枚の翼が生えている。黒が四枚と銀の翼六枚。三枚は純白の翼が生えていた。
「なっ、なんだソレ」
「俺の母親は魔王の娘だが、────父親は最高位の────天使だ」
今、初めて見る幼なじみの姿に、ルーは戸惑い言葉が出ない。
「《種有り》《種無し》と言われれば《種》はあるぞ。今まで出さなかっただけだ」
「だって今まで僕には。そんな……というか周りもそんなことは」
「だから! 出さなかっただけだ。ノアは気が付いたら───。身も心も──気を許してたんだ」
睨み合う二人の、ぎこちない心を表すかのように、空に稲光が走る。
「この姿は、グレイと爺と。死んだ母しか知らん。ノアにも見せてはいない」
「えっ────」
真っ直ぐ見つめられる紫水晶の瞳と、いきなり見せられたハインの姿に、目が眩むルーがいる。
(綺麗。綺麗だ。でも何で!? 何で魔王がそんな翼を持ってるんだ。前に見せた蝙蝠のような羽根は? 僕も好きだ。好きだよ。でも、一方通行だと思ってたし。たぶん、ハインは、遊びで僕にと安心して────!? ああ、わかんない。わかんないよ)
ハインの一言に動揺が隠せないルーは、逃げるようにバルコニーへと、足を向けた。
ルーの腕を、逃がすまいとハインが掴むと背の翼が、威嚇するかのように羽ばたく。
「今、おまえに見せたのは────お前を愛してるから。そして、愛ゆえかは分からんが壊したい、もの凄く」
(お前の中にトケタイ。……何を乙女みたいなことを───俺は魔王で悪魔だ。天使と添いとげるにはリスクが……特にルーには大きい。異種交配。天使との間にもし子が出来たら。俺の母の二の舞はごめんだ………だが)
「ンン……っ……ん」
気が付いた時には、ルーに息をつがせないほど激しくハインは口付けていた。
離しても、また髪を鷲づかみ顔を引き寄せ、口付けを繰り返す。
「ルー、俺を満たして貰う。今まで以上に。お前の中に融け込みたいと何度、思い馳せたことか………もう、止めない」
「ハイン。ダメ。駄目だよ」
ルーを抱きかかえ、ベッドに放るとハインは上に覆いかぶさる。
「今日は、パンツルックなんだな。いつものフレアスカートではなく」
「なっ、なんだよ。悪い?」
「可愛い。少しだけ脱がしがいが在るな。と思っただけ」
「やっ、だから、ダ・っ───ん」
潤んだ瞳のルーをハインは見つめ、抱き寄せ離すと、今度は舐めるようにゆっくりと見つめる。
「可愛い。幼なじみ。そして今は………」
「!!!」
泣きそうなルーを見て、ハインは優しく口付ける─────。
(この白い、真珠のような綺麗なきめ細かい肌を何度も口で吸い、舌で舐め、唇を───何度。何度。繰り返すたびに思っていた。壊したい。身体の芯まで融かし、思いを───壊れるまで)
今まで以上に、ハインの息は荒く漏れ、ルーに思いの丈を打つける。
「だっ……ハイン、お願っ………ィ」
「たぶん俺は、ノアに……お前を重ねていたと思う。あいつは人間なのに純粋で優しく、心が綺麗だ。ふと、お前を思わす」
「……ッンン………ァッ………」
「………ルー。俺の………」
二つの吐息、すれるシーツ、重なり揺れる躰の音のすべてを雷の轟きが消していく。
稲光が走るたび二人の重なる影はくっきりと落とされ、結ぶ手は離すことなく強く繫がれていた。
ありがとうございます。お疲れ様です。
今回はある意味頑張りました。フウ。気に入っていただけた?かな?
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