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無責任な魔王は常に◯◯する。  作者: 珀武真由
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今は、なにも考えずにただ、ただ、ゆっくり眠ろう

おはようございます。こんにちは。こんばんは。まだまだ、お付き合い下さい。



 最近、魔物が何やら騒々しく、意に()するモノが増え、どうしたものかと考え(あぐ)ねるハインがいた。


(魔界を統治する者として、やらなければいけないことがある)


 魔王としての立場に苛つく彼がいる。


 意に()するモノの動きは、昔の昔に交わした、人界、天界、魔界の三界の和平の盟約を破る行動に値していた。


「ラスクはいるか」

「えっ、今日はノア様のところですが?」

「そうか」


 ここ、魔王城は相変わらずの美しさで、誰か一人は部屋を掃除しており今日は、スライムが床を綺麗に磨いている。


 服を着替え、ハインが眉をしかめ考えているとスライムが跳ね笑っている。


「今日もたのしそうだな。スライムは」

「ン、楽しいよ。ハイン様は?」

「ん、俺か………」

「ねぇ、ネェ」

「聞くな、馬鹿」


 ネェ、ネェ、とあまりの五月蠅さに叩くと分裂し二つに増えた。喜び跳ねるスライムにハインは苛立ち、ムカつくが、その苛立ちを抑え指を鳴らし部屋を跳ぶ。


「いってらっしゃーい」

 

 見送るスライムがいる。

 ラスクを探すため、ノアのいる屋敷へとハインは跳んだ。


(高い天井、白い壁。ここも綺麗だな)

 

 白い、ノアの屋敷に着いたハインは、まず至るところを眺め感心する。


 そしてラスクを探した。


 探している内に、ノアの部屋を覗いてしまい自分が帰ってきたことがノアにバレてしまう。


(しまった。覗くつもりはなかったのだが)


「あら、ハイン様、お帰りなさい。声を掛けてくだされば出向きましたのに」


 笑顔で迎えるノアに気を許すハインがいた。


(いつからか、ノアを見ると落ち着く自分がいる。初めはこんなつもりではなく、責任をとる為だけに迎えたのに………)


 椅子に座り、外の景色を見つめるノアにハインは尋ねた。


「いや、ラスクに用事があってな」

「あら、そう言えば………先ほどまでいたのですが、どちらへ」


 椅子から立ち、ラスクを探そうとするノアを静止し座らせ、さらに落ちた膝掛けを代わりに拾うと膝へ掛けている。

 そして、手を握りハインが気にとめる。


「気分は、体調は………」


  《コポコポ………ッポ》


「ふふ、そんな一度に。大丈夫、落ち着いてます。気分も良いです」


 音が耳に入ると、ノアを抱きかかえ傍らのベッドに寝そべさしハインも寝そべる。


「ハイン様?」

「ラスクはあとだ。俺も、横で寝る」


 顔の向きを、ノアと逆に置くハインは、ノアの腹に耳をあて音に聞き入る。

 互いに寄り添い、身体を円のように屈め寝転がる二人がいた。

 

「体制は窮屈ではないか?」

「ハイン様は?」

「俺? 俺はむしろ楽しい」


 《コポッ・・ポポッ・・・》


 最近、ハインはノアの腹から届く音が楽しみで仕方がない。


「ノア、まだ両親には話してないのか」

「まだです。いつ話そうかと考えております。今、話したら直ぐ飛んで来ますよ」


 《コポッ・コポッ・・・・》


「今すぐか………それはそうだろう、初孫だものな。でも今は()()俺が満喫したい。良いかな」

「ふふ、良いですよ。お腹もまだ目立ってませんから。騒がしいと私が困ります」


 《・・コポ・コポ・・》


 まるで会話に交ざるかのように、音を立てている「ソレ」にハインは、顔を近づけ“へそ”にキスをし、離すと息を吹きまたキスを繰り返す。

 

 《ッポポッ・・ポッコ・ポコポッ・ポッコ》


(不思議だ。これをすると、音が弾んでる気がする。ノアは気付いているだろうか。この音の弾みに)


「ふふ、こそばゆいです。ハイン様」

「こそばゆい……か、ではこれは?」


 もう一度、同じようにノアのへそに悪戯をするが、一つ違うところが、そのままキスと甘噛みを繰り返し太腿へと下がっている。


「ぁ─ンンッ!」

「フフッ。こそばゆい?」


 太腿に到達すると、甘噛みを繰り返していたハインだがいきなり強く噛みついた。


「あつっ─────‥‥‥」

 

 熱い吐息が驚きに変わると、ノアは小さく声を漏らし脚を大きく震わせ全身を小刻みに揺らす。


(俺のだ。誰にも渡さん!)


 《コポッポ・・・トトンッ・・・》


(ん? いつもと反応が違うぞ! 怒られたのか。それとも、ノアと同時に驚いたのか?)


「もうっ、ハイン様」

「ははっ。こそばゆいか」

「最後は、痛かったです」


 ぽくぽくと、頼りない力でハインの脚を叩くノアの仕草が嬉しいハインは、ノアの太腿を抱き寄せ笑っている。


(最近、魔物の様子が変で気が滅入ってたのが和らぐ。………人界、天界、魔界の盟約に(ひず)みがあるのは確かだ。困ったもんだ)


 太腿を抱き締めるハインの腕は、弱るどころか強く、離すことをしようとせず甘えるようにしがみ付いている。

 そんなハインに身を委ね、静かに瞼を閉じ眠りに落ちていくノアがいた。


(ノアにまだ告げていない。俺が魔王だということを………考えることが多すぎる)


「スー、スー」


 ノアの寝息がハインの耳に心地良く響き、もう一つの水の音が眠りへと誘い始める。


(─────眠ろう)


 白い布の上に、円を描くように眠る二人の身体があった。


 


お疲れ様です。誤字脱字、文節、表現の諸々のご指摘お待ちしております。ともに良い感想も。ではまた話しましょう。ありがとうございます。

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