アイのままにワガママに思うがままにコイ焦がせよオトメ。
おはようございます。こんにちは。こんばんは。またお付き合いを・・・
小鳥の嘴が、俺の髪に戯れいて目が覚めた。
「ん。な、なに」
眠い瞼をこすり、目を開くと瞳に飛び込んできた映に驚き跳び起きた。
一羽、二羽ならたまにあるのだが、最近数が増え十羽以上がベッドに侵入している。
今日は、二十数羽ぐらいがいる。
「なっ!」
小鳥は、ハインが起きると驚いて羽ばたき去って行くが、数羽は残り、隣にいる者の髪を啄んで遊んでいる。
(フッ、愛らしい)
原因は、隣で寝るノアである。
最近、ノアを隣に置くと必ず小鳥がいる。まぁ、ルーに比べると少数の小鳥の量だが。
ルーの時は窒息しそうな程の数に襲われ、小鳥を焼いてしまった。
それからというもの、あまり小鳥は来なったがここ最近また来るようになった。
(最近、どうしたものか。まぁ、窒息しなければそれで……)
《トクン》
(? なんの音だ。水に何か反響しているような……でも、小さい鼓動)
ハインは捉えた音に首を傾げ、考える。
《コポコポ……》
「?」
《トクン》
(いや? まさか)
いきなり、隣で眠る者の裸体を抱き上げ耳をピタリと肌につけ音の確認をしている。
「あっん? キャ! わわ、ハイン様?」
当てた耳が捉えた音を、ハインは疑門に思うが確信に変わる。
《ッコポ……トクン》
「ハイン? 様」
「おはよう。ノア、愛くるしい腰線だな。上に乗れ」
言われた通りにゆっくりと股がりハインの上に腰を据えると、ノアは首筋を舐め取られ肩を噛みつかれる。
「!! んっ」
小さい吐息を漏らし股がるノアの腰を支え持ちハインは考えを巡らす。
潤むノアの瞳を覗き込むと、ハインは自分の髪をかき分けた。ノアの腹からもたらす水っぽい音は、ハインの中で確信へと変わる
(そうか。可笑しくはないが……)
「!!! あ、ハインっ」
「そうか、そうか。いいぞ! フフッ」
「!!!!! ッ!」
ノアは脱力した身体をハインに預け、荒く熱い息を吐き続ける。
小さい身体を抱きしめ髪を撫で、愛でる者に視線を置いてはいるが、ハインの視線は遠くを求め何も映してはいなかった。
(まぁ、ノアも薄々は、気付いては要るだろうが、きちんと言わねばならんか)
素の自分をどうノアに告げるか、悩むハインがいた。
身体を委ねるノアの髪を優しく撫で、コポコポと湧き上がる音を耳に捉えるハインがいる。
(ああ、心地よい。この音はこんなにも心地よいのだな。不思議だ)
いつもは苛立ち、何を求めているか分からないハインだがこの時ばかりは落ち着きを払っていた。
ノアと一緒に暮らすラスクがハインに気づくとかけ寄り、玄関口で見送っている。
「では、ひと月後ですね。ハイン様」
「ああ、ノア。大丈夫か、今更だが……」
手を取るノアの、笑顔を見ているハインがいつもより優しく甘い声で尋ねている。
「なあに? ハイン様そんなに心配して頂いたら帰したくはありません」
にこやかに微笑むノアにキスを交わし、中に宿る小さき者のことを伝えずに帰るか、躊躇していると傍らのラスクがハインの腰を押す。
「ほら、おじさん。帰りなよ、ここは僕がいるから大丈夫。ね」
不安げなハインに気が付くと、ラスクは耳元で小声で話し、不安を取り除いた。
「おじさん、実は僕、耳がよくてね。気が付いてるんだ。ノアのお腹」
「! ラスク、お前」
「ふふん、でも言わずにいた。その方が知った時に嬉しいでしょ? ちなみにおじさんはまず、整理してからだよ。まだ打ち明けてないよね。魔王さま」
「このっ、エロガキ。成長してるな」
「ニヘヘ~」
見ない内に成長するラスクに、喜ぶと同時に複雑なハインがいる。
「ノア、すまん。今度のお土産は何がいい」
「ハイン様」
「ん?」
「ですから、ハイン様が良いのです」
満面の笑みで、恥ずかしげなことを普通に言い切るノアに、ハインとラスクが照れている。
「いいなぁ。おじさん、愛されてるな」
「おお、エロませガキ。羨ましいか、ほれ」
二人の会話を聞き少し照れ笑うノアがおり、ハインとラスクはノアの隣で小競り合いをしている。
「では、ノア。ラスク、留守を頼むぞ」
「へいへい」
「返事は「はい」だ」
ラスクの頭を掻き撫で満面の笑みをハインは見せる。
ハインに手を振り、送り出すノアがラスクに寂しげに語る。
「あの方はおんなに優しいけど、本当は手が届くお人では無いのですね」
「ノア!!!」
「内緒よ! ラスク、でも好きなの。身を焦がすほど………」
「そっかぁ」
ノアが、薄々気が付いてることは分かっていたが、ここまでバレていると心配したことが少し阿呆らしく思えるラスクがいた。
(でもお腹のことは気が付いてはいないんだ。そりゃそうだ。まだまだ小さいんだもん。留守は守るけど、しっかりしなよ、おじさん)
ノアの心配よりハインの心配をする、少年ラスクがいた。
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