強くなるための場所
「な、なんだこれ」
ある目的の為に城の外を出たら異様な……いや、異常な光景が広がっていた。
「い、妹ちゃんが、いっぱい?」
そう。
“アオイさんの顔”にそこら辺に全て変わっていたのだ。
道行く人の顔もアオイさん。
あちらこちらにあるポスターもアオイさん。
店の宣伝もアオイさん。
あれ?もしかして俺、アオイさん好きすぎて病気になった?
ただ、どれもが色がないので偽物なのは解る。
と言うか俺のこの識別反応ってこう言う時こんなに優秀だったのか……
「リュウトさん……どうなっちゃったんでしょう私、妹ちゃんの事考えすぎて頭おかしくなったんですかね?」
「大丈夫だ、いつもアオイさんの事を考えていて頭がおかしくなっている俺でもこの光景は同じに見えてる」
「そ、それじゃぁ一体……」
「いや、むしろ納得がいったかもしれない」
「?」
「考えてもみろ、ここは“美”の国……つまり、美の頂点、化身、神、そして“美の答え”であるアオイさんが現れたんだ、こうなるのは必然」
「なるほど……確かに今まで妹ちゃんは表に出なかったから騒がれませんでしたが、表に出た瞬間の爆発力が私達の想定異常だったんですね」
「流石アオイさんだ、一つのブーム、そして一つの答えを導きだすなんて」
「リュウトさんは大丈夫なんですか?」
「あぁ、俺には白黒に見えているし、よく見たらアオイさんと少し違う箇所がみんなある、大きいところで言ったら体型が違うし小さいところで言ったら眉毛の形が3ミリほど違う、後は声もだ」
「気持ち悪いですね」
「あぁ、この光景は気持ち悪い」
「……」
そんな話をしながらついたのは冒険者ギルド。
ちなみにギルド員は整形などしてないみたいだ……冒険者の方はバリバリ整形してアオイさん化してるけど……
「アカネ」
「はい?」
「お前には1人でギルドの依頼をしてもらう、一応俺の奴隷という事でプラチナ冒険者の依頼まで受けれるが、下のランクから一つずつしていってくれ」
「分かりました!リュウトさんの言うことだから何かあるんですね!」
「あぁ、じゃぁ行ってこい」
「はい!」
そう言って受付に行った。
「……」
アカネの強くなる第一歩、まずは__
“リュウトさんの言うことだから何かある”
この考えの捉え方を少し変えることだ……と言うのも、今までの戦いや行動は全て俺からの指示を待っていた。
「いや、まぁ奴隷という立場だから当然だが……」
今の彼女は自分の意志で強くなりたいと思っている。
なら、これを機に自分の考えなどを見直す良い一歩と言うわけだ。
「さて、俺は__」
そして、俺。
アオイさんの為に強くなる為に来た場所は__
「いらっしゃいませ〜」
ただの魔皮紙小売店だった。




