奴隷商、潰す!
静かな病室。
そのベッドに静かに寝ているのはリュウト。
「…………」
「リュウトさん……」
手を握るアカネ。
「……」
それでもリュウトは起きない。
「あれから4日……寝たきりですね……」
「……」
アカネは少し寂しそうにした後、立ち上がり、そして__
「そろそろ起きましょう」
リュウトの鼻先にハンカチを近づけた。
「アオイさんの匂い!!!!!」
「おはようございます、リュウトさん、こんな事もあろうかと妹ちゃんの匂いのついたハンカチ取っといて良かったです」
「…………なるほど、さて、状況は?」
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《リュウト達の部屋》
「なるほど、つまり俺は4日寝込んでいて、その間に“例の件”を進めてくれていたのか」
「はい」
医務室の人に挨拶を終えて部屋に戻った俺は水で喉を潤しながらアカネから状況を聞きだした。
それと言うのが__
「それで、見つかったのか?『女神の翼』は」
そう。
アオイさん、そしてアカネが居た奴隷商の情報だ。
順を追って話をしよう。
まず、俺はこの国の奴隷商である人物に出会っていた。
特徴として“奴隷にしたい人物を指定”したらその人を奴隷にできると言う物だった。
と、言うわけで俺は“アカネを指定させてもらった”
女神の翼の奴隷であるアカネ。
そしてアカネには“ミクラルで奴隷になった”と言って騙すように言っておいた。
「はい、リュウトさんの読み通り、ミクラルにいる奴隷商が女神の翼の場所を特定しました」
「やっぱり、ミクラルにも手を伸ばしていたわけだ」
そして読み通り。
奴隷商は奴隷商で見つけてくれたみたいだ。
「……やるんですか?」
色々と察してるみたいだな、アカネも。
「あぁ、俺達は本格的に奴隷商『女神の翼』を__潰す」
待っててくださいアオイさん。
すぐに俺が解放させてあげますから!
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《女神の翼 ミクラル拠点》
「ひ、ひぃ!たすけ__」
そこまで言って“男の首は斬られる”
「……」
リュウト達よりも先に奇襲をかけたミクラルの奴隷商達。
だが、彼等は“たった1人の漆黒の鎧を纏った人物”になすすべなく殺されていた。
「なんなんだお前は!」
「……」
その人物は答えず、その最後の1人を殺そうとしたが、横から来た“うさんくさいシルクハットの人”に止められる。
「“エス”さんストップです、全員殺しては誰も伝言を伝える人が居なくなるでしょう?」
“エス”と名乗られた漆黒の騎士は手をとめた。
「……俺の用は済んだ、あとは好きにしろ」
そう言ってエスは消える。
「さて……あなたはミクラルで有名な【毒撃の髑髏】のボスですね?ほかの奴隷商とも仲の良い友達がいるはずです……生かして帰らせる代わりにそいつらに伝えててください」
「な、何を」
「“ミクラルの裏社会は我々『女神の翼』が支配する”と……さっさと行け!」
「ひぃ!」
毒撃の髑髏のボスは全力で走って逃げていった。
「……ふむ、それにしても何か違和感がありますね」
シルクハットを被り直し考える。
「我々が来たのはここ数日、こんなヘマをする様な事はしてないのですが……それこそ“誰かが意図的に仕組んでいる”可能性がありますね」
そしてシルクハットの中から通信魔皮紙を取り出した。
{今すぐ拠点を変える準備をしろ、ただこの拠点には廃棄用の奴隷を残しておけ}
「さて……何が釣れますかね」




