おっぱいと「助けにきてね」
「みんな大変な思いしてるんだね」
「アオイさんほどじゃないよ」
「......同じく」
ざっくりとまとめよう。
【ヒロユキ】
異世界から召喚された勇者。
歳は20代前半という見た目。
アオイさんの“弟”
ユキと言う“未来少女”と共に行動している。
性格は寡黙。必要以上は話さないタイプ。
俺が“お義理兄さん”と頭の中で言っているのは
“将来アオイさんと結婚したら”この人が俺のお義理兄になるからである。
今は【武器召喚】という神級魔法を取得する為に“冒険者”をのんびりとしている。
【アオイ】
ヒロユキのお姉さん。
俺の全て。
好き。
ちょー好き。
好きすぎて死ねる。
……じゃなくて!
異世界生活始まる瞬間から襲われ“奴隷生活”
心を折られる調教をされ
現在は“レンタル奴隷”としてミクラルで買われたみたいだ……アオイさんに値段はつけれないだろ!アオイさんの可愛さを手に入れるんなら世界の一つや二つを献上しないと!ってまた逸れた!
奴隷商『女神の翼』の “レンタル奴隷アオイ”
それが今のアオイさんだ。
「目標、か……僕なんかその日その時しか考えてないや」
まぁ……俺達は自由が効くからな……
アオイさんは普通の土台にも立たない状況だし……仕方ないよ……
「妹ちゃんの場合、状況が状況だからね?仕方ないよ?よしよし」
そういってアカネはアオイさんを撫でる。
ナイスだ!アカネ!
「そうだよ、アオイさんの場合俺達とは状況が違いすぎる、俺やヒロユキは自由だから目標を設定出来る身であって、アオイさんは自由じゃないから仕方ない」
「そ、そういってもらえると僕も嬉しいよ」
「今ここにみやが居たらなぁ」
「?、みやってリュウト君のパーティーの子だよね?どうして?」
ちなみに、みやが“元魔王”と言う事は隠している。
「あいつは少し特殊で目を持ってるんだ、その目で見ると『解析』をすることが出来て敵のいろいろな情報が手に入る」
「うん、それで?」
「アオイさんの『呪い』を解呪できるかもしれない」
「呪い?」
「えぇ」
そう言ってお酒を飲み干す。
慣れないアルコールだったが、段々と慣れて来たな。
「まず『呪い』ってどんなイメージがあります?」
「うーん、やっぱり呪い殺すとか良く言うし、かけられると死ぬとかかな?」
「そこなんですよね、俺達の世界の呪いのイメージは相手を恨むとか嫉妬とかですよね?ところが、この世界での呪いは違って一言で言うと『人の無意識領域を支配する』って事みたいなんです」
「ん?どういうことかな?」
「例えば、今アオイさんは奴隷ですよね、でもこの今の状況って逃げようと思ったら逃げれる、なのに行動に移さないでしょ?」
「言われてみれば......確かに」
「それがアオイさんにかけられてる呪いです」
「その……頼って悪いんだけどリュウトくん達が僕を連れて逃げるとかは?」
「その場合、元の場所に帰りたい意思が強く働いて薬物依存の人みたいになると思います、呪いが解かれない限り一生……」
「うへぇ……そ、そのみやって子は今どこに?」
「ちょっとあいつは事情があって別ルートでミクラルに来てもらってるんだ......」
「そ、そっか......」
!?
ヤバい!アオイさんが悲しそうだ!?
「だ、だから!いつ来るかわからないけど!もしもみやが来たら絶対に会わせるから待っててくれ!絶対に助けるから!」
「リュウトくん......うん!」
「だから......その......助かったらこの世界で俺と......」
や、やべ!なんか声に出ちゃった!
「?」
「リュウトさん!許しませんよ!まだそう言うのは早いですし何より妹ちゃんを救ってからです!ね!妹ちゃん!」
「え!?う、うん!」
ナ、ナイスだアカネ!こんな告白だめだし!なんとか話題を逸らさないと!
「そ、そうだよな、まだ早いから今のは無しで!ところでヒロユキもそのユキって子は今日来ないのか?」
いや!それ一回来る時に聞いたやつ!頼むお義理兄さん!空気読んで!
「......リュウトから無理やり連れてこられたから時間なかった」
あああああ!!!ありがとう!!お義理兄さん!!!
「悪かったって、こっちも時間が時間だったから急いでたんだ」
「ヒロユキくんホントに大丈夫?」
「......ユキの事は大丈夫」
「ふぇーぇ〜妹ちゃんも居るしリュウトさんも居るししぁわせぇ〜」
「アカネ、お前酔ってる?」
「そんなことないですよ〜?」
「......これは酔ってる」
「よ、酔ってるね」
「あら!妹ちゃんまでそんなに言って!この悪い子」
「こらアカネ、アオイさんも困ってるだろ離せ」
「妹ちゃんは困ってません!困ってるのはリュウトさんでしょ?」
「どうして俺が__」
「さっきから妹ちゃんのオッパイ見すぎですよ、嫌らしい目でチラチラチラチラチラチラ......」
「な!?」
「え!?」
お、俺の無意識が!
「そそそそんなことないぞ」
「......リュウト、嘘は良くない」
「な!?ヒロユキはそっちの味方するのか!」
「......」
「ほら!妹ちゃんにバレないようにしてても他の人には筒抜けですよ~」
「うぐぐ......」
「ほーら、妹ちゃんのお酒ですよ~」
「そ、それが何だって言うんだよ」
「とりあえず飲んでみてください~?」
「こここここれを?い、いいんですか?アオイさん?」
「?、いいよ、その代わりそっちのも後で頂戴ね?」
「いたごちさまっす!」
かかかかか間接キッスを!俺は!すr__ぶほぁ!!!!!!!
「うわ!なんだこれ!アルコールやば!」
「え!?そ、そうなの?」
「アオイさん相当お酒につよ......ふぅえ」
この時点で頭がふわふわなって来て……深く考えられなくなってきた……
「あはは、リュウトさんどうです?」
「何が!」
「妹ちゃんと間接キ・ス」
「ふぁぁあ!!おま!今まで言わなかったことを!」
「妹ちゃんほら見てーリュウト顔真っ赤」
「あはは、そうみたいだね」
「す、すいません!アオイさん!」
「いいよいいよ〜、むしろ僕とキスする?」
「なななななななな!?!?!?!?!?」
「妹ちゃん!!!」
「じょ、冗談だよ」
「......悪酔い」
「でも冗談抜きで本当にこのお酒強いですよ」
「そ、そんなに強いかな?」
「かなり......ヒロユキもほら」
「......別にいい」
「ヒロユキ君、ここまで来たらいっぱい飲んでよ?」
「......一口だけ」
「……んぐ!?」
ぅええ!?ヒロユキお義理兄さんが一瞬で落ちた!?死んだ!?寝た!?
「あらら……」
「アルコールがまわるのも一瞬でしたね……それで、私やみやさんが居るのにどうして妹ちゃんばっかりなんですか〜?」
「ばっかりってそんな事__」
「いいえ!明らかに私たちを見る目と妹ちゃんを見る目が違います!……妹ちゃんの服装も確かに誘惑してるけど」
「気にしないで見ていいよ?これはファッションだし」
「妹ちゃんはそんな事また言って!もーーう!!!妹ちゃんは私が守る!」
そう言いながらアカネは席を立った瞬間。
立ちくらみの様に倒れた。
「大丈夫!?アカ姉さん!?」
「……むにゃむにゃ」
「あらら、寝ちゃったみたい」
「そ、そうだな」
「ここら辺でおひらきかな??」
「そうですね、俺はアカネとヒロユキを連れて行きますからアオイさんは帰ってていいですよ」
俺もそろそろ限界だ……アルコールもあるが色々と__
「その......ありがとうね」
「え?」
「僕……死のうとしてたんだ」
「......」
「でも、そんな中、君が来てくれたおかげで……君がこの会議を開いてくれたおかげで……上手く言えないけど、まだ頑張ろうって思えたんだ」
「当然の事をしたまでですよ」
「それが当然って言えるのは本当にいい人だね、本当にありがとう…………みんな見てないしおっぱい揉む?」
……………………………………………………………………………………………え?
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?
な、なに!?今いい話してたよね!?
え?今俺夢見てる?現実と夢の狭間にいるの!?
夢だ!きっとこれは!夢!ならば!
「じ、じゃぁ……」
夢ならば!叶えてあげよう!ホトトギス!!!!!
「う、うん」
アオイさんは目を閉じる。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
って!!夢な訳あるかぁああああああああああああああああ!!!!!
「ダメだ!!できない!!!」
「へ?」
「こ、こう言うのはその……結婚とかしてから!ですよ!!!」
「う、うん!そうだね!」
「その前に絶対に奴隷から解放して自由にさせますから!」
「うん!助けにきてね!」
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ヒロユキお義理兄さん、届けるの完了。
アカネ、届けるの完了。
「さて、と……」
俺が来たのはミクラル城の医務室。
城の中にあるので最新鋭の魔法技術が使われている。
ここは“この国の最高の医療施設”と言っても過言ではない。
「すいません」
中に入り受付に声をかける。
「はい、どうしました?」
「1人。生死を彷徨います。」
「?」
「頼みました」
俺はその言葉を最後に意識を保っていた一本の線を切り離した。




