物語を求めるヒロイン
「誰から話す?」
「……俺から話す」
そう言って名乗り出たのはお義理兄さん。
「え?ヒロユキ?」
「……なんだ?」
「いや、予想外だったから?」
「……別に、特に何もないからな」
特に何もない?勇者なのにそれはないだろ?
まぁそれは聞いてからだな。
さっきも言ったが頭の整理をするついでにお義理兄さんについて復讐しよう。
【ヒロユキ】
異世界から召喚された勇者。
歳は20代前半という見た目。
アオイさんの“弟”
ユキと言う“未来少女”と共に行動している。
性格は寡黙。必要以上は話さないタイプ。
俺が“お義理兄さん”と頭の中で言っているのは
“将来アオイさんと結婚したら”この人が俺のお義理兄になるからである。
「分かった、じゃぁ頼む」
「お酒飲みながら聞くよ〜」
少し酔ったのかアオイさんは上機嫌だ……あぁ……可愛いなぁ〜
「……お前達と別れた後、俺はユキと言う城からのサポート人物と出会った」
なるほど、そう言う設定にしたのか。
ちなみに“ユキ”という人物は未来を知ってる少女。
“城からのサポート人物”と“嘘”をついてると言うことは本人には隠して動くと言うことだろう……俺もそれを前提に動かなければな……
「……それからは冒険者をしながら【武器召喚】を使える様になろうとしている」
「武器召喚?」
超絶可愛いアオイさんがお酒を飲みながら聞いてくる。
そうか、才色兼備のアオイさんは知らないのか……
「……良く分からないけど強いらしい」
って、お義理兄さんもよく分かってないのかい!
「【武器召喚】って言うのはこの世界の【神級魔法】……つまり、最上級の魔法で過去に【勇者】が使ってたとされる魔法ですね。中身としては“神の武器”を召喚する魔法です」
「……ほう」
「へぇ!すごい!詳しいね!リュウトくん」
「へ、へへ」
アオイさんに褒められると自然と口元が緩くなるな。
むず痒いと言うか心臓が爆発しそうだ。
「……他には言う事はない、基本は2人で魔物狩りだ」
ふむ。
お義理兄さんは堅実に異世界生活を歩んでる感じだな……未来少女が居るから保護者付きって感じか……
美しく可愛いアオイさんが人を魅了する声で少し不服そうに言う。
「もう終わりなの?こう……魔物とのギリギリの決闘!とか!生命の危機!奇跡的回復!とか!ストーリーは?」
「……そんな物はアニメと漫画だけだ」
「一応僕達はそんな世界に居るんだけどな……」
あ、ちょっとしょぼんとなってるアオイさん可愛い!あーーー!写真撮りたい!
ま、そう言うのをアオイさんが求めてるなら!
まかせろ!
そこら辺のお話を求めてるなら!
「じゃぁ次は俺が話すよ」
俺の十八番だぜ!
そこから俺は、これまでの事をアオイさんが喜びそうな感じで少し盛って語った。




