勇者会議前に一杯!
テーブルを真ん中にしてアカネとアオイさん。
反対側には俺とヒロユキ(お義理兄さん)が座っていた。
異世界に召喚された【勇者】全員集合である。
「さて!ヒロユキも揃った事だし、改めて自己紹介をしよう」
端から見るとその言葉も相まって合コンの風景。
……フッ……アオイさんと合コンンンンンンンンンン!
あーーーー!アオイさんとおしょくじできるぅ!!!!!
これ以上の幸せがあるか!いや!無い!
ま、まて!まだ早い……まだだ……まだ興奮するな俺。
クールに行け!
かっこよく、大人の男性を演じろ!
「俺の名前はリュウト、この世界では冒険者を職業にしてる勇者だ」
何だかんだ、俺とアオイさんは
この世界に来て2回目である。
もう一度言う。
アオイさんと俺……会ったのが“2回目”
あちらからすれば、まだ知り合い程度だ。
なので、いきなりガツガツと行くのはNGだし。
ましては生のアオイさんを見て鼻血など流すのなんて一発アウトだ。
良いか?俺……クールに行けよ?と自分に言い聞かす。
「それでこっちが__」
「......ヒロユキ」
ここの会議はある意味区切りの話。
なので、俺も頭の中で整理しよう。
【ヒロユキ】
異世界から召喚された勇者。
歳は20代前半という見た目。
アオイさんの“弟”
ユキと言う“未来少女”と共に行動している。
性格は寡黙。必要以上は話さないタイプ。
俺が“お義理兄さん”と頭の中で言っているのは
“将来アオイさんと結婚したら”この人が俺のお義理兄になるからである。
未来少女の話をすると少し難しくなるので考えなくて良い。
重要なのは【アオイ】=【ヒロユキの弟】
という事。
「私はリュウトさんの奴隷のアカネと言います」
アカネに関しては知ってるから良いか。
俺の奴隷だ。
「......ネコミミ」
「?」
……ほう?ヒロユキお義理兄さんはネコミミ好きなのか、メモメモ。
__そして!
「……」
「……」
「……」
みんなアオイさんを見る。
ついでに俺は鼻血出そうなので必死に抑える。
「………………………………………………………」
アオイさんは静かに大きな大きな胸に手を当て、深い息を吐き出し深呼吸する。
「もう、そろそろ……また頑張らないとね……」
そう呟いた後__
「僕の名前はアオイ!勇者だけど奴隷をやってます!」
そう言ってる彼女の目は、以前会った魂の抜けた目ではなく小さな心の光が宿っていた。
「ぶわぁぁぁぁん!よがっだぁぁぁあ!!!」
アカネはおもいっきり泣いてまた抱きしめた。
「うわ、ちょ、アカ姉さん!痛いって!」
「!?、今姉さんって!?うわぁぁぁん!やっだぁぁぁあ!!!!」
アカネの嬉し涙で水溜まりができそうな勢いだ。
「へ、へへ……」
そんなアカネの喜びを素直に恥ずかしながら喜べるアオイさん。
まったく……気持ちは分かるが話が進まないな。
「アカネ、そろそろ注文をしてそれから話そう、えーっとメニューは……」
「はい……ほんと良かった……」
「あ、ありがとう」
メニューがアオイさんの場所にあったのでそれを取り__
「あ、ここにメニューあったよ、みんな何が良い?」
聞いてきた……やばい!!それって女の人にさせたらヤバい奴じゃ無い!?
主導権は俺が握っておかないと!
男らしく!俺が!俺が!
「いいよいいよ、アオイさんは女性なんだから!そういうのは俺達男組に任せて!」
「あ、はは……ありがとう、紳士だねリュウト君は」
ズキューーーーーーーーーン!!!
紳士紳士紳士紳士紳士しんし…………
かっこいい……
カッコいいの対象=俺
リュウト君カッコいいって言った?今?
カッコいいってその気がないと言わない言葉だよな?
え?良いの?こんな俺ですがよろしくおねがいしまーす!
「そうですかね?ふへへ」
おっと!話を進めないと!
「えーっと、まずは飲み物ですね……ちなみにお酒__」
「__飲めるよ!!!!!!」
お酒という言葉に食い込み気味に反応するアオイさん。
「う、うん……アオイさんは飲めるんだね」
びっくりしたぁ!
アオイさんお酒好きなのか……これは重要メモだな。
これから先、冒険ではお酒コーナーを覗くのは決定。
自分でお酒作ってあの麗しい唇で飲んでもらうのも良いなぁ、そのまま口の中で舌に吸い込まれ……あぁ!俺お酒になりたい!
「リュウト君は飲めるの?」
や、やばい!お酒って一緒に飲むのが楽しいんだよな!?
孫と一緒にお酒を飲むのが夢とか言う人もいるし!
飲んだことないけど__
「日本じゃ駄目だったけどこっちだと良いみたいでした」
「ほぇー」
俺!今日から酒飲みます!
「ヒロユキは?」
「……飲める」
と言う事は全員アルコール摂取ヨシ!
な、何頼もう……とりあえずアルコール度数低いお酒にしとこう……
「じゃぁみんな飲めるって事で、俺はこの《トライクフリー》を頼むよ」
「......同じく」
「私もそれで」
お義理兄さんとアカネは同じお酒だが。
お酒好きのアオイさんはこだわりがありそうだ……ここは気を効かせる絶好のポイント!!
「アオイさんは何か気になるものがありますか?」
メニューを逆さにしてアオイさんに見せた……よし!この問題は正解だ!アオイさんのお酒を見る目が職人の様に変わり__
「じゃあ僕はちょっと違うの頼もうかな?この《ドレスワルツ》で!リュウト君のも気になるから後で一口飲ませてね?」
…………へ?
………………………はへ?
聞き間違いかな?「“気になるから後で一口飲ませて”」
そそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそれって!!関節Kissって事オオオオオオオオ!あああ!?!?!?!?
「え?は、はい!もちろん!ごちそうさまします!」
「???」
アオイさんから返されたメニューを落としそうになりながらも開き慌てて指先でメニューの文字をなぞる。
すると机の上に魔法陣が展開されてお酒が出て来た。
「すごい!どうなってるの!?これ!」
そうか!アオイさんは見た事ないんだな!このシステム!
「フフ、始めてみたときは俺も驚きました【転送魔法】って奴みたいです、便利ですよね」
ちょっと嘘。
あ〜元の世界にあったら便利だったのにな〜程度だが……
ま、まぁ驚いたのは本当だ
「うん!」
それぞれグラスを持ったのを確認する。
「では、記念すべき第一回【勇者会議】を開きます!乾杯!」
「乾杯します」
「乾杯~」
「......乾杯」
こうして勇者会議が始まった。
頭の整理をする為にも良く聞いておこう!




