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テンプレ勇者の一目惚れラブロード 〜勇者がヒロインと結婚するまで〜  作者: しぇいく
第3章 アオイさんは可愛い

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女王様からのお誘い

《グリード城》


 「──以上が、ミクラル王国での一連の報告になります」


 俺はサクラ女王へ向け、一通りの出来事を報告し終えた。

 火山島での調査。

 スラッシュゴルドラの討伐。

 ミクラル王への謁見。

 クリスタルドラゴンの素材の献上。

 そして、新たな仲間となったあーたんとアンナさんことまで。


 玉座に腰掛けるサクラ女王は静かに頷く。


 「ご苦労様でした、リュウト様」


 その優しい声には、心からの労いが込められていた。


 隣では、アカネが緊張して背筋を伸ばして立っている。


 「ミクラル王も、大変喜ばれていましたか?」


 「はい。クリスタルドラゴンの素材も、とても感謝されていました」


 「そうでしょうね」


 グリード王国とミクラル王国。

 今回の一件で両国の関係は、以前よりも確実に良好になったはずだ。


 サクラ女王は少しだけ真剣な表情になる。


 「そして、ブルゼ討伐」


 「…………」


 「先日、ギルドよりブルゼがクリスタルドラゴンに並ぶ【災害級】と正式認定されたと報告を受けました。その脅威を討伐してくださったこと、我が国の出来事ではありませんが、一人の王として、そして民を代表して深く感謝いたします」


 「俺一人の力じゃありませんよ」


 「それでも、リュウト様がいなければ、もっと多くの民が命を落としていたでしょう」


 静かな玉座の間に、一瞬だけ沈黙が流れた。


 やがてサクラ女王は微笑みながら口を開く。


 「今回の功績は、これまでの実績を含めても十分過ぎるほどです、そこで、王国として正式に褒賞を授けます」


 「褒賞?」


 「はい。」


 サクラ女王は側近から一枚の魔皮紙を受け取る。


 「本日をもって、リュウト様パーティーの冒険者ランクを──」


 一呼吸置く。


 「ルビーランクへ昇格とします。」


 アカネが驚きに目を見開いた。


 「る、ルビーランク……!?」


 ダイヤモンド級のさらに上。

 世界でも到達者はごく僅かしか存在しない領域だ。

 それを、自分のパーティー全てに適応……かなりのご褒美だ。


 「これにより、未開拓地への入域許可は国籍に縛られなくなります。開拓任務に限らず、調査・探索・討伐など、正当な目的であれば自由に立ち入ることが可能です」


 「……なるほど」


 物ではない。


 だからこそ価値がある。


 今後の行動範囲が大きく広がる褒賞だった。


 「ありがとうございます」


 サクラ女王は安堵したように胸を撫で下ろした。


 「これで、より自由に旅ができますね」


 「ありがとうございます。大切に使わせていただきます」


 次の目的地は決まっている。


 この世界の3国の内1つ__アバレー王国。


 グリード、ミクラル、テンプレ通りなら、最後の国アバレー王国で何かが起こる可能性が高い。


 俺はその可能性を確かめるつもりだった。


 サクラ女王は静かに席を立つと、優雅な所作で衣服の裾を整えた。


 「リュウト様」


 「はい」


 「ご出発まで、まだ少々お時間はございますでしょうか?」


 「はい。まだ時間はございます」


 サクラ女王は柔らかな微笑みを浮かべる。


 「でしたら、お時間を少しいただいてもよろしいでしょうか」



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