二十一、すこし、「ある」。
語り手が部屋でくつろいでいると「0」という数字をなんと読むかと兄に問い掛けられます。
語り手の回答のあと、兄は「『ゼロ』と読めば『全くない』の意味になるし。『レイ』と読めば『少しある』の意味になる。だからお化けは『レイ』なんだよ。少し『ある』んだ……」と自慢げに説明をしますが、普段の兄からすると考えられないほどよくできた話です。
語り終えたことで満足したのか兄は姿を消してしまい、語り手は家じゅうを探して回ります。
母親に兄の居場所を尋ねると、模試で朝から家を出ているとの返答があり、何もかもが腑に落ちないまま話は終わりを迎えます。
来ました!
私イチオシのお話です!!
普段はお題やテーマが先にあって、そこから内容を膨らませて書くことが多いんですが、この話に関しては「ゼロ」と「レイ」の微妙な意味合いの違いと「霊=少し『ある』」という結論が繋がった瞬間に書かなくちゃ! と思って勢いだけで書き上げました。
なので、細かい部分は設定が甘かったりします(笑)
もともとは独立した短編小説として公開していたのですが、短編だと公開して数日たったら埋もれてほどんと読まれなくなってしまうんですよね。
なので、当時いろんな方が読みに来てくださっていた怪奇短編集にも載せることにしたんです。
とはいえ、怪奇短編集には原稿用紙二枚以内という制約があります。
この話はどうしても説明が多くなってしまうので、どこを削ってどうやって成り立たせるかは頭を悩ませた覚えがありますね。
ありがたいことに、完結してしばらく経った今でも怪奇短編集を読んでくださる方がいるので、リメイクして良かったなと思っている自信作です。




