十八、丑の刻参り
家でくつろいでいる最中、偶然丑の刻参りをしている人物を見つけてしまう主人公。
相手もこちらの存在に気付き、呪詛の言葉を吐きながら迫ってくる、という話です。
そもそも、現代においての丑の刻参りの認知度ってどのくらいなんでしょう?
最近だとあまり聞かなくなりましたよね。
私は怪奇短編集を読んでくださる皆さまは古めの怪談もお好きだろうと勝手に思っているので、たぶん説明しなくてもご存知の方がほとんどだろうなと踏んでいます(笑)
午前二時、白装束姿で藁人形に五寸釘を打ち込む女。
(……なぜかはわからないけど、丑の刻参りをやっている人間って女性のイメージですよね?)
丑の刻参りは他人に見られたら失敗し、その呪いが自分に返ってくると言われています。
彼女もそれは承知の上で、主人公に気付かれたからにはどうにかしないといけないと思ったのでしょう。
とはいえ、不可解なのはその先です。
突然割れた窓。
主人公を襲う鋭い痛み。
翌日発見された五寸釘を打ち込まれた二人の亡骸。
報道のシーンの文章が下手すぎてビックリしたんですが、二人とも釘まみれになっていたのは伝わってますかね……?
そして、この釘は女によって打ち込まれたものではないことも伝わっていますかね?
どちらに刺さっていた釘も、呪術的な力によって発生した(?)ものです。
女の身体に刺さっていたのは呪いが返ってきたぶん。
主人公の身体に刺さっていたのは目の前で女が呪詛をかけたから……――とは考えにくいので、もしかしたら女は初めから主人公に呪いをかけていて、目撃された日がちょうど丑の刻参りの最終日の七日目だった可能性が高いです。
しかし、警察がそんなことを認めるとは思えないので、この事件はきっと迷宮入りですね。




