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#82 無人島

夏休みにしたいこと⑤?

無人島生活。

島に着くと、早速船からテントやパラソル、ビーチベッドなんかが運ばれていく。


毎回思うけど、黒子(従者)さんたち良い仕事するよなぁ~。影はうっすいけど、仕事は濃いぜ!

俺たちが心地よく過ごせるために色々準備してくれるが、いざ遊ぶ段になったら、あっという間にその存在を消してしまうのだ。

おかげで遠慮せずに遊べる。


金持ちって凄い。


「エリック、来て!」

ユリアの弾んだ声がした。


急いで見に行くと、

「ほら、あれ……」


少し先の木の上に、見たこともない色鮮やかなキレイな鳥がいた。


「──あれ……本物?」


「ええ?剥製じゃないよ、本物だよ。ほら鳴いてる」

クスクス笑いながらそう言った。


確かにでっかいクチバシを開けて、ピホロロローっと変わった声で鳴いている。


「あれはサイチョウの一種だろう……セリウスなら詳しく知ってるかもな」

側に来たゲイルが鳥を見ながら言った。


「え?別にセリウスは動物博士って訳じゃないんじゃない?海の生物には詳しいけど……」

たしか海洋生物が好きなんだよな。


「そう言えば、そうね……ミルクの目の膜のこと、知らなかったものね」


そうだな、そうだねと、3人とも納得した。



ガサゴソと音がしたのでそちらを見ると、ライオネルだった。

「3人揃ってここに居たか。件の場所に行かないのか?」


「まだ、時間的に早い。ペンギンは早朝だし、海亀の来るのは夜の8時過ぎてからだ。」

ゲイルが眩しく高い空を見上げながら言った。


「ああ、そうだったな。それで、小屋は何処なんだ?」

奥の方に目をやり、小屋を探しているようだ。


「先に小屋に行くか?」


「もちろん。まずは安全確認だろう?」


さすがライオネル。こんな事にも危機回避能力が発揮されるようだ。


「ま、ライオネルらしいな。こっちだ」

ゲイルが先頭にたち、俺とライオネルが小屋に向かう事にした。

セリウスとユリアとルルカには、海で遊ぶための用意を任せた。


しばらく行くと、でーん!と、でっかくて格好いいログハウスがあった!


小屋ってこれ?

普通に立派なログハウスなんですけど。


「……これで小屋……」

まぁな、何となく分かってた。ゲイル達にとってはこのくらいの大きさだと“小屋”なんだろうな。


「鍵は開いてる。先に入っててくれ。バトラーに伝言頼むの忘れてた。悪いが浜辺に戻る」

そう言ってゲイルが浜辺へと戻っていった。


俺たちはとりあえず持ってきた荷物を運び、早速泊まる為の部屋の確認をした。


そう、今日1日遊んだ後は、ここに泊まるのだ。


せっかく島に行くのだから泊まりたいとユリアが言いだした。


それならば普段は出来ない事をしようとなり、なんと、従者に頼らず自分達で過ごそう、となった。船はもうすぐ本土に帰る予定だ。


無人島生活やってみよう!ってやつだ。


いや~でもなぁ、俺から見たら全然余裕って感じなんだよな~。


だって、着いてすぐに浜辺には遊べるようにさっさと道具が設置されるし?

こんな立派なログハウスあるしなぁ~。


早速中に入った。


このログハウス、2LDKで、ロフトのある平屋だった。

リビングを挟み、左右に部屋がある。離れにお風呂があるらしい。


水回りも……うん、トイレ・キッチン付だ。

従者がいないといっても、もちろん俺たちが来る前にしっかり掃除もされている上、冷蔵庫には飲食料品が揃えられている。

テレビで語られる、いわゆる無人島とは程遠い。

至れり尽くせりだ。


そんなことを考えながら部屋を点検していく。


左の部屋のドアにはペンギンをモチーフにしたプレートが張られていた。


中を確認する。

あ、天窓ある。へー壁紙がよく見たらペンギンだ。

ベッドは、1、2台……シーツまでペンギンじゃん。うん、こっちはルルカとユリアの部屋だな。なんとなくかわいいし。


もう一つの部屋にはカメをモチーフにしたプレートが張られていた。

なるほど、左右対称の部屋なんだ。こっちのがシックだな……。

天窓もあって、やっぱり壁紙とベッドのシーツはカメで……1、2……うん?あれ?……1、2……



トテトテとリビングで火の元のチェックをしているライオネルの所へ行った。


「……ライオネル、ベッドが足りない」


「え?」


ユリアとルルカがペンギンの部屋を使うとして、カメの部屋は俺たち4人が使うことになる。

だが、各部屋にベッドは2台ずつしか置いて無かった。


「本当だ……。いや、エキストラベッドが……無いな……」

ライオネルも珍しく??な顔をしている。


「あ、ロフト見てくる。布団おいてあるかも」

早速梯子をかけて上ってみた。

何もなかった。


「……やっぱり足りないみたいだ」


今頃船は出航しているだろう。今さらベッドを増やすことも出来ない。


つまり、男たち2人は床で寝るか、ソファーで寝るか、あるいは……一つのベットに、2人で寝るか……。


「「…………………………」」

俺とライオネルは無言で顔を見合わせた。


ライオネルと……?それとも……

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