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83/155

#83 ログハウスは

変に意識し過ぎだよエリッキュン……。


その頃浜辺では──


「では明後日の正午にお迎えに上がります」

従者の一人がゲイルにそう告げて船に乗り込んでいった。


4人で去り行くクルーザーを見送った。



「さて、本当に俺たちだけになったな」

従者が一人もいない。

これは高位貴族にとって滅多にない経験だった。


「うん。いや~まさか、本当に無人島に泊まる事になるとは」

セリウスが笑いながら言った。二泊三日のお泊まりだった。


「……そうね……なんだか……」

ルルカが急に不安になったのか、ツ……とセリウスに寄ってきた。


「……ルルカ、大丈夫だよ」

ルルカの手を取り、ぎゅっと握った。


「──そうよ。皆がいるもの」

ユリアもルルカの反対の手を握り、優しくその手の甲を叩いた。


「…………とりあえず、小屋に行くか?」

ゲイルがその様子を見て、ルルカに聞いた。


ルルカは生粋のお嬢様だ。

ライオネルの言った通り、どうやらまずは安全確認した方が良いようだった。


「そうだね。落ち着いてから遊ぼう」

ニコッと蕩ける笑顔でセリウスがルルカを覗きこみ、そう言った。


「──ええ、そうね。ゲイル、小屋に案内してくださる?」


「ああ、こっちだ」

荷物を担ぎ、皆で小屋へと向かった。



*****



6人がログハウスに揃った。

少しナーバスになっているルルカは部屋で休んだ方が良いだろうと、ユリアと二人、ペンギンの部屋を使ってもらう事にした。



──そして、男達はカメの部屋へと向かったのだが……



「────なるほど。答えは簡単だね」

腕をくみ、2台のベッドを前にして、セリウスがにこりと笑って言った。


「つまり、一つのベットに2人で寝れば良いって事だ。幸いこのベッドは大きいし、2人で寝ても落ちることはなさそうだしね」

当然でしょ?みたいに言った。


「「「…………………………」」」


エリックとライオネルとゲイルは、黙ってセリウスの言葉を聞いていた。


「────そう……かな……」

いや、まぁーね!分かってた。


そうなるよね?

このベッドってキングサイズだもんな!

ゴツい男二人で寝ても十分余りそうだし。

その答えにたどり着くのが正解……なんだろうけど…………。


問題は、誰と誰が一緒に寝るか、だよな……。



「──それが妥当だろうな」

ライオネルも同意した。


「俺は構わないぜ。よし、エリック、仕方ないから一緒に寝てやる」

と言って、ぐいっと肩を引かれた。


「え!?そ、れは……待って!」

あわててその手をどかせた。



いやいやいや、待ってほしい!

別にね、意識してる訳じゃないけど?でも……ゲイルと一緒に寝るとか……身の危険を感じる。


ゾワッとして、咄嗟にライオネルを見てしまった。


「──勝手に決めるな。皆の意見もあるだろう」


エリックの戸惑いを感じたのか、ライオネルが庇うようにエリックの腕をとり、自分の方に引き寄せた。


「──皆?ふーん……皆、ね……じゃあセリウス、お前は誰と寝たい?」


「え、僕から?──まぁ…………僕は誰でも良いよ。寝相が悪くなければね」


「だ、そうだ。で?お前は誰と寝たいんだ?エリック」


ギロっと脅すような赤い視線で牽制してきた。


──これ、ゲイルと寝たいって言わせようとしてるよな!?いや……怖いから嫌だけども?かといってライオネルと?……これはこれで、なんか……寝られなそうだ……うん。


「──ボクは……セリウスがいい、かな……」


「は?」「え?」「え、僕?」

それぞれが驚いた声をだした。


──あれ?なんだ?

消去法でセリウスがいいかと思ったんだけど……


「──ダメ、かな?」


セリウスは誰でも良いって言ってたよな?問題あるのか?

……まさか、エリックが臭いとか……?


「お前……セリウスにはルルカがいるんだぞ?それを……セリウスまで堕とす気か?」

渋い顔でゲイルが顎に手をやり、そんなことを言った!


「!?」

何それぇ──!?

まるで俺がセリウスを(たぶら)かすみたいな言い方じゃないか?


思わず救いを求めるようにライオネルを見た!


「…………エリックは、天然だから……」


こちらも何とも苦い顔で、そんな事を言ったぁ!!


「────な、そ……ちがっ……!」


何でだよ!?俺は悪くない!何もやってないもん!

思わず救いを求めるようにセリウスを見た。


「──はは」

困ったな、と言うように肩をすくめ、こちらも苦笑いしたのだった……。

嫌な予感……。

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