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62/155

#62 リースという町

観光地には観光客。

モブモブの中では超目立つよ。

リースという港町の観光地で俺達は馬車から降りた。

この辺りはサーファーの聖地と呼ばれているらしい。その中でも、一番良い波がくる場所はブラックダイヤ家のプライベートビーチだそうだ。


でも、まぁ海は広い。

他にもたくさん良い波がくる所はあるだろ。


ここの名物は魚料理はもちろん、肉料理、果物をふんだんに使ったアイスやパンケーキなんかも有名らしい。


ドリーム国各地からだけでなく、外国からも観光客が訪れるようで、ハワイの高級リゾート地って感じだ。ハワイ知らんけど。


確かに人種も様々だった。

ゲイルのように肌が褐色なのはチラホラいるが、ゲイルほどイケメンはいない。


やっぱりこの国でも、モブはモブか……。


そんな中だから、俺達6人が集まって歩くと、皆が道を譲り、自然と道がひらかれる。

ただの一般人で無いオーラが半端ないのだ。


セレブリティ内でもそうなのだから、慣れちゃって……なんか寂しいよな。

はじめは得意満面だったのに……今では何も感じなくなった……通常運転だよ。



「あれ、すごく美味しそう」

アイスクリーム屋の前でルルカが立ち止まった。店の外まで人か並んでいる人気店のようだ。


「ルルカ、こっちも美味しそうよ」

隣はタピオカ屋だ。


女子が好きそうな店がズラリと並んでいる。

ケーキ屋に喫茶店、水着や帽子、バッグや靴などの雑貨店……。


「──とりあえず、一度別れるか?集合場所を決めて、各自好きな店に行くのはどうだ?」

と、ライオネルが提案した。


ライオネルは本屋に行きたいみたいだった。

さっきからソワソワしている。


「いいんじゃない?後でまたここに集まるって事で」

セリウスはアクアショップに行きたいっぽい。

ガラスケースに入っている亀や綺麗な熱帯魚が見える店に視線がいっている。


意義無し、との声が上がった。


「それじゃ各自、自己責任で行動してくれ。集合は、そうだな……だいたい1時間後にここでいいか?では解散」

ゲイルがパンっと手を叩き、その場は解散となった。


それぞれが興味のある店へと向かった。


……さて、俺は何処に行こうか?

外出ってあんまりしないしな。行くとしたらゲーセンだったし……どうしよう?


「エリック、お前は何処に行きたいんだ?」

後ろから声がかかった。


「──ゲイル……」

あれ?何処にも行かなかったのか?


「お前、あまり外国慣れしてないみたいだし、案内してやる」


「え……いいの?」

「ああ、別に俺には珍しい場所じゃない。名所は後で合流してから行くとして、今はお前の興味のある所へ連れて行ってやる」


「……ボクは機械とか好きなんだ。プラモデルとか……そういう店はある?」


「確か、裏通りにあったと思う。飛行船や船が中心だ。行くか?」


「うん、行ってみたい」

飛行船!あれか?ヒンデンブルグみたいなやつか?燃えたら困るけど。


「じゃあ行くか。こっちだ」


ゲイルの後ろについていった。


一つ筋を入る毎に、少しずつ人通りが少なくなっていく。まさに裏通りって感じだ……。


……今なら聞いてもいいかな?誰も居ないし……


ふと、立ち止まり声をかけた。

「ゲイル、ちょっといい?」


「──ああ、何だ?」

ゲイルも立ち止まり、振り返って俺を見た。


「────あの、昨日はありがとう」


「……なんだ、改まって」


「あ──その…………朝ボクに、一人で寝るのは苦手か聞いてきたろ?……なんで?」

……ドキドキしてきた……


「そのままだ。苦手なのか気になった」


「そうじゃなくて、何故ボクが苦手かもって思ったの?」


「──夜中に、大丈夫か様子を見に行った。動いてたから、起きてるのかと思って近づいたら……抱きついてきた。全然離れなくて……仕方ないから明け方まで一緒に寝てた」


──マジですか……俺が抱きついた?へぇ……そう言えば、でっかいペンギンが側に来てパタパタやってたから、思わず抱きついた夢を見た気がする……いい匂いがして幸せ~って……。

あ~あれ、ゲイルだったのか。なるほどね!


じゃ、ねえよ!俺のバカァ!!


「━━━━━━━ごめんっ!!」


「覚えてないんだろ?謝らなくていい。ほら、店にいくぞ」

ゲイルは何事も無かったかのようにスタスタと歩きだした。


「──あ、ああ……そう…………」

…………俺……何やらかしてんだ……。


うぁぁああ……これじゃ好きだと誤解されても仕方ないんじゃないか?


混乱したまま、とぼとぼとゲイルについていった……。

流されエリっくん。

自分が何をしたいのか、混乱中。


そもそも好きって何なんだよ!?

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