#50 甘い果実はなんの味?
ユリアもね、葛藤してます。
ゲイルを好きだけど、エリックもね……カワイイんだよ。
「参ったなぁ……」
今までの経験があり、学園でも皆と一緒にいることが多い。
だから、皆の事はよく知ってるつもりでいた。
でも、全然違う。
……こんな風にただ遊ぶために泊まりがけでドリーム国に来るとか……。
皆の仮面がポロポロ剥がれていくようで面白いことは面白い。
まず、ゲイル。
制服も格好いいけど、私服のセンスがいい。流石大金持ちの息子で、お高い服をさりげなく着こなしている。
肌が褐色だからか、アクセサリーも似合う。エリックのネックレスには驚かされたけど、着けてもイヤミが全くなくて、とても似合ってるのででヨシとする。
そしてよく笑う。笑顔がカワイイ!
次にセリウス。
まさかルルカにあんなに甘えてるとは思わなかった。他の子に対する態度と全然違う!
甘えん坊のいたずら小僧みたいだ。
……私にはすごく気さくでいつも紳士的なんだもの……驚いたよ……
そしてライオネル。
学園だと皆の意見を聞いて纏める感じのリーダーなんだけど、ここだと結構好きなことをしてる。
……ゲイルにも言いたいこと言ってて遠慮がない感じ?
エリックは……うん……可愛さが10倍増してる!
はにかむ顔がカワイイ。自信無さげな少し情けない仕草がすごくカワイイ。セリウスがヤドカリ持ってきた時、一瞬ウヒョって顔をしてたのもとってもカワイイ。胸がキュンキュンする。
……ライバルかもしれないけど、やっぱり可愛いは正義だよ……
ルルカは、もっとセリウスと居たがるかと思ってたのに、結局いつもと変わらず私の側にいる。
いいのかな?と思ってた矢先、セリウスがちょっかい出してきて、サンゴ礁での不穏な空気だった。
全く今までと違う。面白い反面、予測が全然つかなくて不安を感じる。
……それでもこれをクリアしていかないといけないのよね……。
「ほんと……分かんないな……」
ふーっとため息をつきながら、ジュースを飲んだ。
「“ため息は幸せが逃げていく”誰かが言ってたな」
ポンと頭に大きな手が乗った。
「!ゲイル!」
振り向くとゲイルが手にメロンを乗せたお皿を持って立っていた。
「大きなため息ついてどうした?」
「うん……ちょっと……それよりそれ、メロン持ってきてくれたの?」
うわー美味しそう!
良い匂いがして、いかにも甘そうだった。
「ああ、食い意地の張ってるユリアがそろそろ腹が減ったんじゃないかと思って」
済ましてそういうゲイルを、持っていた扇子でベシッとはたいた。
「食い意地なんか張ってません!美味しいものが好きなだけですぅ~」
ほんとゲイルってば口が悪い!
まぁ……そんなとこもイイんだけど。
「はは!物は言いようだ」
そう言って美味しそうなメロンのお皿を笑顔付きで渡してくれた。
「ありがと~美味しそう!」
早速一ついただいた。
あっまい!すごくジューシーだ。
見た目に反しない美味しいメロンだぁ~!
「俺にはくれないのか?」
ゲイルがにっと笑ってそう言った。
「ふふーんどうしようかなぁ?」
ん~イケメン!
「あ」
そう言って口を少し開けた。
きゃーー!!これって「あーん」だよね?
うっそーそんな事するキャラだった?また新たな一面を見てしまった!
「はい、どうぞ」
ドキドキしながらその形の良い口に一つメロンを入れた。
「ん、旨いな」
もぐもぐ食べて、ペロッと唇を舐める仕草がとってもセクシーだ。
「ふふ、なんだかゲイルって子供みたいね」
ドキドキをごまかすようにそう言った。
「俺が?俺はこのメンバーで最年長だ。生意気な後輩だな」
「学年が同じなので、そんなの関係ありませーん。ただの同級生でーす」
あーんとメロンを食べながらとぼけて言った。
「──ふっ……ほんと生意気だ……」
くしゃっと顔を綻ばせ、大きな手でユリアの髪を梳くように撫でた。
「……もう一つ食べますか?センパイ」
私……この手、好きだな……。
「ああ、もらおうか。コウハイ」
あーと開ける口に、甘ーいメロンを一つ放り込んだ。
次はサーフィンだ!




