#48 格好いいとは
仲良しグループ「学年会ズ」
……なんかネーミングした方が良い気がしてきた。
悟ルンがアレだから、エリックがアレな感じだけど、ハタから見るとエリックはスラリとしたクール系美少年!
俺は……悟は、現実じゃオタクでヒョロいし、イケてない男子の代表みたいなもんだ。
ユリアは、リアルでもいい感じの女の子な気がするんだよな……。
「エリック」
「ん?」
ユリアに声をかけられハッとした。
「……どうしたの?」
「え?………ああ………皆……格好いいなって思って見てた。美男美女が集うと目の保養になるよ。近くで見る事が出来るボクはラッキーだなって……」
頭をかきながらへへっと笑った。
ほんとな~リアルじゃ絶対入れないグループだもんな~。
「ボクは3人ほど背は高くないし、……焦ってすぐ赤くなるし……みっともないとこばっかり見られちゃって恥ずかしいよ」
思わず愚痴ってしまった。
「そんなっ──エリックも、カッコいいよ?ほんとに……ほんとだから!」
ユリアがぎゅっと自分の胸の辺りで拳を握り、ウルウルした目でそう言った。
「ええ、私もカワイイと思うわ」
ずいっと顔を寄せられ、ドキッとした。ルルカもやっぱり美人だと思った。
自嘲気味のネガティブ発言なのに、引かずにすかさずユリアとルルカがフォローしてくれる。二人ともええ子や……。
「ありがとう……」
照れ隠しのようにポリポリと顎をかいた。
まぁな。そりゃエリックは格好いいかもだけど……中身は俺だし。
エリックの良さとか発揮できてるとは思えん。
外見も慣れちゃったからか、周りがハイスペック過ぎるからか、やっぱ自分が格好いいとは思えないんだよな~。
と、肩に手がかりグイッと横に引かれ、よろめいた。
「ぉっと!」
くっ!ゲイルだ、絶対ゲイルだ!
「エリック、君は……私は、良いと思うぞ」
驚いた。ライオネルだった!
「意外と素直な所も、焦って赤くなるのも、見た目との印象と違って可愛……こほん!んん、君も我々メンバーの一人だ。自分の評価を自分で貶めるな」
ぐっと肩を持つ手に力が入った。
「だな、何言ってんだか。お前が赤くなるのは初めから知ってる。今さら何をぬかすやら」
くしゃくしゃっとゲイルに頭を撫でられた。
「うんうん。そこもエリックの良いところじゃん。背丈だって充分あるし、こんな整った顔で“ボク、格好良くない”みたいに言われてもねぇ……“え?”ってなるよ」
トントンとセリウスが背中を叩いた。
皆が覗きこむように俺を見てきた。
…………うわ……なんか……どうしよう……?
あまりに綺麗な顔たちに見つめられ、かぁーっと頬が熱くなるのが分かったが、逃げ出したいとは思わなかった。
「その……変な事言ってごめん……」
ポリポリと頬をかいて、へへっと笑った。
「分かればよろしい」
ニコッとユリアが笑い、ツンと、頬をつついてきた。
「──ユリアちゃん……」
──くぅ!ユリアちゃん、かわいい!やっぱこの子はええ子や!
「ふふ、あ、それで崖には行くの?」
ユリアが話題を変えるようにゲイルに聞いた。
「今日は止めとく。この砂浜で過ごそう。でも、まだイルカの来る時間じゃないしな……。シュノーケリング、ダイビング、サーフィン、ボディボード……ヨットがしたければ用意させるが……」
「私シュノーケリングがいい」
「私も」
ユリアとルルカが元気よく言った。
「じゃあ、近くのサンゴ礁まで行ってみるか?」
ゲイルがポンっと軽くエリックの頭を叩き、すっと離れて皆の前に立ち、くるりとこちらを向き直った。
「うん!」
「いいわね」
「それなら僕も賛成。危険がないもん」
「あ、ボクもそれがいい。綺麗な魚がいそう」
「ああ、いいな」
皆の意見が一致した。
遊びでこんな風になると、仲良しグループって感じで恥ずかしいような嬉しいような……腹がムズムズする。
「よし、 道具を取りに行こう」
ワイワイ話しながら小屋へと向かった。
クールな外見なのに、頬を赤く染め照れるエリックは「マジ可愛!」って胸がキュンキュンするんだよ。
しかもそれが仲間内だけとくれば、もう、ね?
それにやられている人達……。
ゲとかラとかユとかね……。




