#47 真っ白な浜辺
海ーー!
ヨットとかサーフィン面白くない?
まぁ、やりたいとは思わないけどね!見る専門。
「今日は絶好の海水浴日和ね!」
従者たちがパラソルを立てたり、テーブルを用意したりしているのを遠目に眺めながら、ユリアが嬉しそうに言った。
ライオネルと合流してから、俺たちは早速入江の砂浜へと出掛けた。
抜けるような青い空、白い雲。深い青い海に真っ白な砂浜。空にはカモメが飛んでいる。
そして傍らには水着の美少女が二人……。
もう、そこはまるでパンフレットにでてくるキラキラなリア充パリピの浜辺そのものだった。
その中に自分が居ることが、ほんとウソみたいだ。
「うわ……遠くで見てた時よりすごいな……」
誰もいない白い砂浜がずっと遠くまで続いている。ここは天国に一番近い島かな?って言うくらいきれいだ。
ちょっと感動した。
「ゲイル、ここってボクたち以外誰もいないよね?こんなにいい所なのに……」
こんなに凄い浜辺なのに、自分達以外人っ子一人見当たらない。
「当たり前だろ。ここはプライベートビーチだ。招待客以外入れない」
うへぇ!やっぱそうなんか。金持ちはやることが違う。おそらくここら一帯がブラックダイヤ家の土地なんだろう。
「でも、なんか……勿体ないよね。ドリーム国にはこんなスゴいところがあるよって自慢したくならない?」
「……別に。ここは荒らされたくないから、公開するつもりはない。それよりお前は泳げるのか?」
「……たぶん……」
とは言ったものの、俺って游げるのか?
確かエリックは何でも出来るハイスペックなヤツだったはず。おそらく泳げる!俺はあんましだけどな。
「たぶんて、なんだそれ。まぁいい。泳げるなら入江の向こう側に行かないか?ちょっと崖になってるけど、良いところなんだ」
もしかして、セリウスが言ってた例の入り江の崖じゃないか?
「それって……洞窟があったりする崖じゃないよね?」
「……知ってたか」
チッって感じで視線をそらした。
「……まさかボクを突き落とす気じゃ……」
「穏やかじゃないな、誰を突き落とすんだ?」
と、ライオネルが割って入ってきた。
「ゲイルがボクを突き落とすって」
「言ってない」
「でもする気だったでしょ?」
「お前、セリウスから何か聞いたな?あれは子供の頃の話だ。それに突き落とした訳じゃない。飛び込みの練習だ。俺も一緒に飛び込んでた」
「ああ、例の崖か?あそこは流れも早いし危ないんだろう?」
危機回避能力の高いライオネルは行かなかったんだよな。
「時間帯にもよるさ。今の時間は大丈夫だ。だいたい子供の俺たちでも大丈夫だったんだ。セリウスが大袈裟に言ったんだろ」
「ええ?そんな事ないよ。あれは絶対突き落としてたし、変に渦を巻くような流れの所あったし、危ない場所だったよ!僕は泳ぎが得意だから大丈夫だけど、素人はやめた方がいいって」
心外だというようにセリウスも話に入ってきた。
セリウスとゲイルが言い合いを始めた。
「何?何か面白い話?」
ユリアとルルカも加わった。
「ゲイルが崖に行こうとしてるのを、セリウスが止めてるところだ」
ライオネルが簡潔に伝えた。
「崖って、洞窟のある崖?」
ユリアの目が輝いた。
「セリウスが女性には無理って言ってた?」
ルルカが顎に手をやり、小首を傾げた。
そして、今、ハタと気づいた。
……よく考えたら、俺、個人的に女子と海なんて行った事ない……てか、男とも行った事なかったわ……。
やいやいとじゃれあっているメンツを、少し離れて眺めながら思った。
イケメン&美少女が俺の側にいる。
……なるほどなぁ……こんなに美男美女に囲まれてたら、勘違いするよなぁ……コレが乙女ゲーの罠か……。
うん、やっぱヤバいヤツだ!
こんな非現実たちにリアルに迫られちゃ、自分モテてる?って思う勘違いガールが形成されるのも納得だ!
だが!リアル女子達よ、現実世界で全身を写す鏡を見ることを推奨する。そこに写るのはそこそこまあまぁの自分だ。
そこに自分やっぱいけてるんじゃない?ってフィルターをかけちゃったらもう詰んでるからね?
そして自分の友達を見よ!
類は友を呼ぶ。友達が自分の中身の鏡だ!
俺のリアルの友達は佐藤くんだ。
彼は良い奴だが、ちょっと小太りだ。つまりはそんなもんだ。
リアル女子って、自分の低レベルほっといて、勘違いした臭い香水つけて、詐欺化粧して、海外アイドルを基準として「あー現実の男子ってウザ」っとか女子トークするんだろな~たぶん。 ウザいのはてめぇらだ。
……ま、ここにいる連中は、俺とは違って中身もイケメンなんだろうけど……
……ユリアちゃんはどうなんだろう……?
黒毛和牛のシャトーブリアンゲットした!
食われた!
……食べれなかった……( 。゜Д゜。)




