#41 ユリアのプレゼント
ユリアちゃんは真面目にゲイルとの距離を縮めてるよ!
どうする?エリック。
※少し改稿しました。大幅な修正はありません。
「間もなく到着致します」
御者の声がした。
馬車の窓から覗くと、リゾート地のモデルハウスのような立派なヴィラが見えた。
とうとうゲイルの故郷ドリーム国に来た。
ここでぐっとゲイルと恋愛的な意味で近づきたい。
最近クラスではエリックとゲイルといる事が多い。
……そう、何故かエリックもいるんだよね……。
いや、もちろんエリックかわいいし、大好きだけど。
でも……違うの!私は……ゲイルが……。
「ねぇユリア、私、こんな風にお友だちの所に泊まりに行くなんて初めてなのよ。全部ユリアのおかげ」
きゅっと手を握られた。
「ルルカ……私もこんなに友達になれるとは思ってなかった」
きゅっと握り返した。
ほんとにルルカとここまで仲良くなるとは思わなかった。
とにかく皆予想外の動きをしてくる。どうなるのか検討もつかない。
「わぁ!素敵な別荘ね」
でも、頑張るよ!
バトラーがバニライトを淹れてくれた。
とてもいい香りでルルカと話しながら待っていると、ゲイルが来た!
「皆早かったな……」
ゲイル!きゃ~私服カッコ良!
白のTシャツがよく似合う。赤いパンツをあんなにおしゃれに着こなしてる!
会いたかったよ~~!
「お招きありがとう!」
思わず食い気味に言ってしまった。
でも笑ってくれてる、良かった~。
「さて、セリウス以外、ここは初めてだよな。どうだ?ここの感想は」
ここは自慢の場所なんだろう、なんだか嬉しそうに聞いてきた。
「すごく素敵!」
ほんとに素敵なところだ。
セリウスが言っていたイルカが見たい。連れていってくれるかな?
「ああ、離れ島だがペンギンが来る所もある」
「ペンギン!?」
「まぁ、ペンギンなの!」
おどろいた!ペンギンって寒いところにいるイメージだったけど、南の方にもいるんだ!
そっか、そうだよ。水族館とかにいるものね。
「連れて行って欲しいか?」
ゲイルが笑いながら言った。
「もちろん!」
「……分かった、船を用意させておく。ライオネルが来たら皆で行こう」
ゲイルが優しい顔でそう言った。
──よく笑うゲイルって新鮮!良い……やっぱりカッコいい。
ホームグラウンドだからか、セレブリティにいる時よりずっとリラックスしている気がする。
……そりゃそうだよね。
一人であのセレブリティに居たのだから。
セレブリティは水面下で派閥争いがある。
1年生はライオネル派が多いが、2年生では第一王子派の筆頭カーペンター公爵家のプリウスが暗躍していて、ゲイルはそのターゲットにされている。
ゲイルはブラックダイヤ公爵家を背負ってるのだ。目をつけられないはずがない。
第一王子派はなんとか味方に引き込もうとあれこれ画策していたようだった。実はライオネルと第一王子が争うルートがあるらしい。
そんな事もあって、ライオネルともぎくしゃくしていたのよね……。
煩わしいのを嫌うゲイルだったが、セレブリティではドリーム国の代表者として扱われるのは仕方の無いことだ。
立場上上級生にあたり、しかもイエロームーン家としのぎを削るカーペンター家のプリウスを無下には出来ず、板挟み状態だった。
伯爵家のユリアやエリックは相手にもされなかった為、詳しいことは分からないが……。
「そうだ、ゲイル、お土産を持ってきたんだけど、受け取ってもらえる?」
セリウスが思い出したように言った。
そうだった!
上着のお礼と、寒さに弱いゲイルのためにピンクフィールド家特産のカシミヤで布を用意していた。コートにしたら素敵だと思う。
布の下にマフラーと、こちらはこっそりサイズを計り仕立てさせた手袋を入れてある。ルルカは知らないが手紙も忍ばせた。
……着けてくれたら、私があなたを暖めてあげられるようで、なんとなく嬉しくなるよね。
ゲイル……喜んでくれるかな?
ドキドキしながら箱を渡した。
次回、エリックのプレゼント!




