#37 期末試験後は
期末が終われば夏休みだよね~。
んふふ~最近ゲイルといい感じ。でも何かな?違和感が拭えないのよね……(ユリア)
勉強会の甲斐があってか、なんとルルカの順位が10ほど上がった。
学期末テストランキング。
首位ライオネル、2位エリック、3位ユリア
4位セリウス、7位ゲイル、15位ルルカという結果だった。
今回ゲイルはルルカの勉強に付き合い、ほとんど自分の勉強はしてなかったそうだ。
「今回は捨てた」 と、言っていたゲイルだったが、それでも7位をとってくるあたり、やはり天才は違う。
勉強会の件以来、俺はやたらユリアとゲイルと3人でいる時間が増えた。
何するにしても3人でつるんでる気がする。
ライオネルとセリウスはいつも忙しそうだった。ルルカはAクラスなので普段は自然とそのメンバーでかたまることになる。
だが今日は、久々に全員揃って学食でランチを食べることになった。
「ねぇ、今度皆で海に行かない?」
昼食を食べ終わり、雑談していると、思い付いたようにユリアが言った。
「期末も終わったし、もうすぐ夏休みでしょう?学年会メンバーにもしばらく会わないだろうし……お泊まりで皆で出掛けたいなって思うんだけど」
「それ、楽しそうね!うんうん、私もユリアとお泊まりしたいわ」
ルルカが嬉しそうにほうっと言いながら潤んだ目をした。
「そうだね、確かに夏休みはそれぞれ実家に帰ってしまうし。皆で集まって旅行は悪くないね」
セリウスも頷いている。
「……ライオネルは大丈夫?」
ユリアが心配そうに聞いた。
「ああ、私も前もって日程を調節できれば参加出来る。いや、したいな……同級生と泊まりがけで旅行なんて……楽しそうだ」
皆乗り気だ。
俺は女子を交えて皆で旅行なんて、学校の行事でくらいしか行ったことない。
「だったらドリーム国に来るといい。南の領地に良い所がある。入江になっていて海が穏やかなんだ。子供の頃ライオネルたちは夏休みによく来てたろう?」
ゲイルがさらりと言った。
「あそこか!確かに良いところだよね。砂浜が真っ白で……」
セリウスも行ったことがある場所らしい。
「そう言えば昔ドリーム国に行った時、あそこの入江近くで突然の大雨で立ち往生したことがあった。あれも南国特有のスコールというやつだと後で知ったが。雨上がりの虹がこちらで見る虹よりきれいで、しばらく眺めていたのを思い出したよ」
ライオネルが懐かしそうに言った。
「──ああ、あれは幻想的だ」
「うむ」
「ドリーム国かぁ!ん~~行ってみたい!でも、皆で行っても大丈夫なの?」
ユリアがかぶりつくようにゲイルに迫った。
「ふっ……ああ、問題ない。親父に言っとく。いつにする?」
ゲイルが少し口の端をあげ、慣れた手つきでユリアの頬を手の甲でスルッと触った!
「くすぐったいよ、もう。うーん、やっぱりライオネルがネックよね?ライオネルの予定に合わせない?」
ユリアは何事も無かったかのように淡々と話を進めていった……。
──いや、ちょっ、待てよ!何、今の!?え?誰も何も突っ込まないし!今ユリアを触ったよな?ほっぺをスルッて…………ええ……?女子の頬をそんな何でもないみたいに触る?何?もしかして、この二人、俺の知らないところで関係が進んじゃってたりしてるのか?
まさかの二人の雰囲気にドキドキしてきた。
──いや、学園にいる間は3人でつるんでる。そんな関係を深めるようなイベントなんて……あるのか?俺が知らないだけで……?
「……リック!エリック!」
ユリアの声がした。
「──え?」
「エリック、聞いてた?25日はどう?」
「──大丈夫だと思う」
「良かった。なら25日から2週間ほどは予定を空けておいてね」
嬉しそうにユリアがそう言った。
「分かった」
俺は頭の整理がつかないまま、波乱の夏休みを迎える事になった。
夏が皆を大胆にする。
さぁ、冒険へ出発だ!
ほんとに?




