#21ユリア・ピンクフィールド
やっと会えたね、ユリアちゃん!
すごくカワイイね。
うん……かわいい……可愛いんだけど……あれ?
何故ときめかないの?
ライオネルたち4人は中庭に向かっていた。
ライオネルがそこのガボゼでユリアと会う約束をしているとの事だった。
やっと会える……俺のこと覚えてるかな?って覚えてるに決まっとるわい。
女子と待ち合わせって初めてなんだよな。なのにちっともドキドキしないのは何故に?
「ああ、もう来ている。女子寮の方が早かったようだな」
そう言われパッとそちらを見た。
と、ガボゼに佇む一人の少女が居た。
少しどんよりとしていた空の雲間から突然光が射した。その光がスーっと伸びて、スポットライトのように少女を包み込んだ。
ピンクの髪がキラキラ輝いて、まるで花弁が舞うように辺りを明るく照らしたのだった……。
ほえ~~~~~~きれ~~~~~~!
うわぁ~後ろ姿だけでもキレイって分かるぞ!流石ヒロインだ。
ちょっとテンション上がったわぁ。
『ユリア・ピンクフィールド。ピンクフィールド伯爵の末娘。市井で暮らしていたがその優秀さから伯爵家に引き取られた。セレブリティ学園には5番という好成績で合格している』
と、テロップが流れた。
あれ?それだけ?なんか俺たちの人物紹介と違うんですけど。事実だけじゃないか。
「ユリア・ピンクフィールド嬢。遅くなってすまない」
ライオネルが声をかけた。
ユリアがふわっと振り向いた。ピンクの髪が揺れた。
大きな紫色の瞳が少し細められ、
「ライオネル様。いえ、私も今着いたところです」
と、鈴を鳴らすような可愛い声で微笑みながらそう言った。
それは、ぱぁーっと、後ろに花が咲いたかのような錯覚を起こしそうなほど華やかだった。
「──かわいい……」
思わずボソリと呟いた。
うん、やっぱ見た目可愛いわ。
肌つやつやだし。瞳はキラキラうるうるしてる。すっとした小さな鼻にサクランボみたいな赤く艶のある唇をしていた。
そこらのアイドルより可愛い。
「おや?エリックも彼女に興味があるみたいだね」
セリウスが顔を傾け、トンっと肩で押してきた。
「諦めろ。お前には無理だ」
ゲイルがポンっと肩に手を置いた。
なんでやねん!まだ何も始まってないだろが!
ほんと、ゲイルって……。
「むっ……」
ジロッと睨んでみた。
キロッと睨み返された。
怖っ!!赤い瞳が血みたいで怖い!
思わず目を逸らしてしまった。
ゲイルがくくっと笑ったのが分かった。
「皆を紹介しよう」
ライオネルに呼ばれ、皆で二人の側に行った。
「皆、彼女が女子で首席のユリア・ピンクフィールド嬢だ。ピンクフィールド伯爵家の末のご息女だ」
「皆様、お目にかかれて光栄です。ユリア・ピンクフィールドと申します」
すっと軽く体をさげ、キレイなカーテシーで挨拶した。
「──ゲイル・ブラックダイヤだ。隣国ドリーム王国から留学している」
「僕はセリウス・ブルースペードだ。よろしくね」
「エリック・レッドクローバーです。これから一緒に頑張ろうね!」
にこりと笑った。どう?親しみやすいだろ?
「はい。よろしくお願い致します」
ユリアもにこりと笑った。
おお、いい感じじゃない?
よし、ここから名誉挽回するぞ!
いったい彼らに何が起こってるの?




