#22高難易度攻略
さと兄ぃのヤツ……!人のゲーム放置しておいて何処行ったのよ!(綺羅)
「綺羅、悟が何処に行ったか知らない?」
部屋でゲームをしていると母が聞いてきた。
「知らなーい。塾じゃないの?」
「今日は無いはずなんだけど……まぁ、いいわ。じゃあ綺羅が行ってきて。牛乳買い忘れたの」
「え~~~メンドクサ~イ」
「ほら、ゲームばっかしてるんじゃないの!たまには手伝いなさい。お小遣い減らすわよ?」
「うっわ、虐待はんたーい!」
ぶーぶーと文句をたれた。
「好きなもの一つ買ってきていいから」
はぁ、とため息をつきバックとお金を渡された。
「しょうがないな~もぉ」
ぶつぶつ言いながらも起き上がり、出かける用意をした。
悟に頼んでおいた迷宮攻略は失敗に終わっていた。「GAME OVER」の画面のままフリーズしていたのだ。
どうやってもその場面から動かず、仕方がないので再起動した。
「ほんと酷いヤツ……」
格ゲーばっかりやってる悟なので、ちょちょいと終わらせてくれると思ったのに。
──それにしても……あいつ、休みの日にわざわざ遊びに行く友達なんていなかったよね?友達なんてあのちょっとおデブの佐藤くらいじゃないの?ほんとどこ行ったんだろ?
──まぁ、いいや。今度こそ攻略してやる。
最初から高難易度攻略だと分かっていた。他のルートはネットでも調べれば攻略の仕方が出てたりする。でもこのルートだけは出てないのだ。
どうやら運営側が断固公開を拒否していて、攻略データがネットにアップされたと同時に消して回ってるらしい。
噂ではこのルートのエンディングの後に、課金すれば行ける特別ルートが開かれるらしいのだが、こちらも全くの非公開。かなりセキュリティ性が高く、一部の金持ちのコアなゲーマーしか入れない聖域、らしい。
──何ソレ?都市伝説?
なので、アップされた攻略動画なんかを消してるのは、運営ではなくそのコアなゲーマーたちとの噂もある。
──なんか宗教みたいよだよね~。まぁ私は普通の無課金ユーザーだからなぁ
「お母さん、いつものでいいの?一つでいい?」
靴を履きながら聞いた。
「ええ。あ、ついでにオロ◯ミンC買ってきてあげて。悟、欲しがってたの」
「ええ?自分で行かせりゃいいじゃん」
「ついででしょう?」
「……分かったよ。あーあ、妹は損だなぁ!こきつかわれてさぁ~」
「あなただってしょっちゅう悟をいいように使ってるでしょ。“お兄ちゃ~ん”って甘えて、数学の宿題押し付けてるのは誰?」
「……あれは、さと兄ぃが喜んでやってるんだもん。ご褒美だよ、ご褒美!行ってきまーす!」
それ以上ヤブヘビにならないようにさっさと出ることにした。
……帰ったら続きやろうっと!今度こそ攻略してやるんだから
『綺羅!お前のせいだかんな!!』
「へ!?」
と、突然何処からか悟の声がした気がした!
「……え?何……今の。気のせい……だよね?」
辺りをキョロキョロと見回したが誰も居なかった。しばらく耳を澄ませてみたが、やはり何も聞こえてはこなかった。
「……変なの……」
なんとなく気にはなるものの、気を取り直し、自転車を出し、近くのスーパーへと向かったのだった。
綺羅ちゃんカワイイ!けへへへ




