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闇を愛して  作者: 冴島月ノ助
新入生歓迎会は蓮の音と共に
16/18

事件の朝

「おはよー!」

「おはよ! すみれちゃん、昨日寝れた?」

「全っ然! 興奮して寝れなかった〜」

「私も〜」


 朝から渡辺紗和と黒木すみれの二人は会った途端、興奮覚めやらぬ様子で話し始めた。

 その話の大半は昨晩行われた転入生であるすみれの歓迎会で、四天王と呼ばれる舞クラスのスター四人による舞が素晴らしかったという話で大いに盛り上がる。


「何々? 俺の噂?」

「「か、神谷くん!?」」


 今まさに話していた四天王の一人――神谷蓮の姿に、図星である二人は同時に飛び跳ねた。そんな二人を見て、全てお見通しと言わんばかりにニヤリと笑う。


(話聞かれてたかなー!? つか格好良すぎるんですけど)

(ヤバい聞かれてたかもー! でもホント格好良すぎる)


 二人がアイコンタクトで会話していると。


「れーん!」


 甘ったるい声が、彼の名を呼んだ。

 蓮は声のした方に振り向くと、先程とは打って変わって面倒臭そうに声の主の相手をしている。そんな蓮をガラス玉のような色素の薄いクリクリした瞳が、愛おしそうに見上げていた。


(見るからに、恋する乙女……)


 すみれは直感で、そう感じて。


『誰……?』


 蓮達には聞こえないように、紗和にこっそりと耳打ちした。


『春之組の坂本夏希ちゃん。蓮くんの彼女』

「えぇっ!?」


 せっかく紗和が小声で答えてくれたというのに、すみれが上げた大声のせいで渦中の二人から視線が集まる。

 慌ててすみれが作り笑いで会釈すると、彼女はゆるふわロングの髪の毛を揺らしてニッコリと微笑んだ。


(彼女いたんだ……。いや、あれだけ格好良くていない方がおかしいんだけど)


 そんなすみれの心の声を察してか。


『蓮くんモテモテだから、彼女途切れた事ないの』


 そう教えてくれた。言われてみれば自分に対する態度や、クラスでの女子との絡みがあまりにチャラチャラしていた事に気付く。


(でしょうね)


 すみれは心で深く納得した。


「あ、涼ちゃんおはよー」


 紗和の声に、すみれは我に返る。


「おはよ……」


 涼は耳を澄まさないと聞き取れない程の音量で、挨拶をして通り過ぎた。


「よう! 橘!」


 蓮がそう手を上げたのを、涼はいつもの仏頂面で一瞥だけして学校の中に入っていく。


(あれ? 聞こえなかったか……?)

(こっち見たよね? 絶対見たよね?)

(あの神谷蓮を無視とか、涼ちゃん強め!)

(相変わらず愛想ない……)


 それぞれの心の声が交差する中。


「蓮! 大変だ!」


 走ってきた秋月圭が肩で息をしながら、蓮の名を呼んだ。


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