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ラブコメとは演劇部のことである。

なぜか演劇部に所属している山田太郎。

周囲は主要キャラだらけ。

……モブはどこいった!?


今回、ラブコメとは演劇部のことである。

「で。なんでこんな紙毎日いれるのさ、しかも今回のはひどいね、布団が吹っ飛んだって」


本当は少し笑いそうになったのを押し殺し、真面目な顔を作って問いかける。


「えー......今回の結構力作なんですけど〜」


羽波さんは、本気で言っているのだろうか。


「これが力作だなんて呆れる。せっかくならもっと笑えるのを机に入れてよ」


「なんですって、これも十分面白いでしょ!!あんたの感性おかしいんじゃないの??」


おいおい、美少女さんよぉ、いつものお上品はどこいったんだよ。


「何、楽しそうだね〜」


そう言いながら、長身の御剣がいつものように少しかがんで扉をくぐる。

背の高い男は入室まで様になるから腹立たしい。


「響也くんいい所に来たね、これ今日の紙、どう思う??」


羽波さんは自信満々の様子でその紙を御

剣に突きつけた。


「これはまた、変な方向だね。でもいいと思うよ。」


そう言うと羽波さんは


「よっし。そうでしょうそうでしょう。やっぱりこの男が変なのよ。ぷぷぷ」


と嬉しそうにはしゃいでいた。

こうなると、仕方がない。


「俺が悪かったのかなぁ、すみません。」


そう謝ると、羽波さんは嬉しそうに


「また笑わせてあげるね?」


と俺に微笑みかけた。


……ああこの人はほんとうに。


そんなやり取りをしているうちに演劇部が全員揃った。


御剣がひとつ手を鳴らす。


「じゃあ、今日も始めようか!」


これが演劇部の部活スタートの合図だ。


みんな疑問ではないか?

この演劇部は普段何をしているのか。

ならば教えて差し上げよう。


「京子ちゃん、お茶いれて」


「あ、僕の分もお願いします。」


「響也くんが入れればいいでしょ、加藤くんまで!なんで私なの〜」


羽波さんはそう言いながら、人数分のお茶を用意し俺の横の席に座った。


御剣は机いっぱいの女子から貰ったプレゼントを整理し、エコバッグに詰めている。


紹介が遅れたが、

加藤龍之介もこの演劇部の部員である。彼は今携帯でヤンキーファッションの勉強をしている。派手な見た目をしているが、こいつだけなぜか後輩感がある。


いや、同級生なんだけどな。


そしてお誕生日席で机に足を乗せ、でかい態度でポテチを食べながらゲームをしているこいつ。畠中涼である。


......まあ!なんとも濃いメンバーでしょう。

そう、俺たちはこの演劇部で演劇をせず、こうして毎日だらだらと、お菓子とお茶を嗜みながら放課後を過ごしているのである。


……お前浮いてね?って思っただろ。そうだよ。浮いてんだよ。


こんなモブが主要キャラ達と毎日キャッキャウフフしてるわけねーだろ。


「で、文化祭まであと1ヶ月なんだけど、どうしようか。出し物は部活強制参加なんだよね」


御剣がそう切り出す。


「もうそんな時期?やるならちゃんとしたのやりたいわね」


羽波さんはこういう時真面目だ。


「去年は龍之介くんが主役でロミオとジュリエットをしたよね。結構評判良かったし今回も頑張らないとね。」


こういう時の御剣は部長らしくとても頼れる。


「うーん。何がいいかなぁ。女子は私1人

だしできる作品に限りがあるよね。」


羽波さんが悩むように声を漏らす。


「僕は去年結構頑張りましたからね、今回は脇役でいいですよ」


おい加藤さん……。やる気なさすぎだろ。


「そうなると余計に困ったわね。もう解決策が山田くんが女装して王子様を取り合う私のライバルになるしかないわ。」


羽波さん、お前頭イカれてんだろ。


「さすがに俺に女装させるのはやばいんじゃない?そもそも意味がわからないんだけど。」


……これで落ち着いてくれー。


「どうして?山田くんの、ぷっ、女装姿俺も見たいな。ぷっ……おもし、コホン、いいと思うよ。選択が広がる感じだね。」


おい御剣、完全に楽しんでるじゃねぇか!


「いや、おかしいでしょ、なんで俺なの」


「いいじゃん。もう従っときなよ。きっと面白いと思うよ。あ、クエスト......。」


畠中てめぇ他人事だと思いやがって。


……この流れはダメだ。


「じゃあ決まりね。白雪姫をしましょう。魔女役が私で白雪姫が山田くんね」


よりにもよって、俺が白雪姫かよ。


「どうして俺が白雪姫なの?羽波さんがやったほうが映えると思うんだけど。」


俺が白雪姫だなんて絶対御免だ。


「え?そんなの決まってるでしょ。面白そうじゃない。山田くんの白雪姫。ぷぷっ。」


おい笑ってんじゃねぇか。


もう俺の意見は関係ないんですか。そうですか。


「えっ?白雪姫ってことは俺と山田くんがキスして目覚めるってこと?」


御剣よ。たしかにそれは重大だ。


「まあ舞台だしキスするフリでいいわよ。問題も無さそうだし、これで企画書を生徒会に提出しちゃうね。」


そう言って羽波さんは足早に部室を出て生徒会室へと向かった。


ほんとに強引な人だ。


あぁ、俺……女装するのか……。


明日もまた、机に紙が入っているのだろう。

そう思いながら窓の外を眺めると夏の空はもう暗くなっていた。

美少女ってなんでしたっけ。

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