↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

名付け親のリリンク


 ひょんな事から没落し、辺境にて隠遁生活をしていたリリンクのもとに、差出人不明の荷物が届いた。


 開けた中身はバラバラの死体……ではなく人形。組み立てると女性のフォルムのマネキン人形が出来上がった。

 そして、同封されていた説明書によると、最後に必要なのは魔法オタクと揶揄(やゆ)された祖父リンクが遺した魔法の力。リリンクがそれを発動させると、人形が銀髪銀瞳の美少女メイドへと変貌したのだった━━






  ◇


 風はやがて緩(ゆる)やかになり、変化を遂げた姿がはっきりと晒された。


「━━はじめましてリリンク様」



 容姿に比例した美しい声で、元のっぺらぼうのメイドがお辞儀をする。リリンクはそれを呆然と見つめた。


「私はリンク様との盟約により遣わされた側仕え……まぁメイドみたいなものです。これからよろしくお願いいたします」


 そう言って、美しく微笑む。まさに人間離れした美貌だが、リリンクは美貌より言動が気になった。


 まるでここに住み着くような台詞……なので、こう言うしかない。


「うちには使用人はいらないよ。オレはここで呑気に暮らしてるし、基本的に自給自足だから稼ぎは多くない。お前を雇ってやれる余裕は無い」



 だから出ていけと、はっきり、お断りを告げた。

 ハレリア家は侯爵家だったが、今やほぼ金無しの貧乏人である。父と母は何処(いずこ)かへ。息子(じぶん)は呑気な辺境生活であり、誰1人雇う余裕は残っていないのである。


 ……もっとも、人間不信になっているリリンクにとって、「他人」は金があってもいらないものであるが。





「ご安心を。先ほども申した通り、私の存在はリンク様との盟約によるもの。反故にするわけにはいかない……私にとって大切な約束が課せられているのです。よって賃金は不要です。ただ貴方様のお世話をさせていただければ」


 少女はもう1度、深くお辞儀をした。


 その大切な約束の事は何も明かさないが、とにかくここにいたいらしい……。

 まさか美人局(つつもたせ)か何かだろうか……。もしそうだとしたら、そこらの木で首を括(くく)って死のうと本気で思った。


 1人そんな事を考え無言になっていると、少女は何か思い出したように声をあげた。



「そうだリリンク様、名前。私に名前をつけてください」


 メイドは唐突に言い出す。名前が無いから名付けて欲しいとの申し入れであった。

 これにリリンクは少し驚いた。彼女は祖父と知り合いのようだから、名前くらいあると考えていたのだ。


「無いのか名前。なんか適当に名乗れば?」


 面倒なリリンクは素っ気なく言うが、少女は拗ねたような表情を見せた。


「それは困ります。今後の活動が出来ません……」


 ここに来て急に少女らしい行動をするので、リリンクは少し焦った。

 とりあえず考えてみる。そして、


「それじゃ……マドラックス。マドラックスでどうだ?」


 パッと脳裏に出てきた、適当に考えた名前を口にした。

 すると、メイドはあからさまに不満げにため息をついた。


「リンク様に似ず……可愛げの無い名前ですね。まぁ、それはそれで気に入りました。今後はマドラックスと名乗らせていただきます」

「何でそんな偉そうなんかなぁ……」



 リリンクは頭を掻く。

 こうして、家に住み着く事となったメイド、マドラックスとの生活が始まったのであった。






とんだ駄作を見ていただきありがとうございます


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。