手紙と女性
沖田師匠
ご無沙汰しております。四十九院で大変お世話になりました、篠崎 カンナです。ここ数日、頬に感じる風が柔らかく感じられるます。その後、お変わりなくお過ごしでしょうか。
先日、ふとした用事で四十九院の近くまで行く機会があり、沖田師匠のことを懐かしく思い出しました。
私はこの春、ティスティア・フランドル学院に入学します。学院の入学課題では、レベルの高い課題が多く、苦心しましたが、そのたびに沖田師匠の言葉を思い出し、死に物狂いな毎日を送りました。
学院生になり、また新たな物事に取り組む事が始まるにあたり、今は不安と期待で緊張していますが、沖田師匠や兄弟子に感謝して、精進していこうと思います。
沖田師匠におかれましては、どうかお体を大事になさってください。また四十九院でお目にかかる日を楽しみにしています。
「近くに寄ったなら何故来ないんじゃ⁈あのたわけ者がー!!」
怒声が道場に響き渡るとともに、手紙が怒声とともに体全身からでた青い炎に包まれて、燃え散りる。それを遠巻きに見ている者たちは、逃げ出したいが体が硬直し、動けずにいた。
「相変わらず、妾たちの主様はまいぺーすじゃなあ。」
「別にそんなんじゃないし。気分が向かなかっただけだし。」
ティスティア・フランドル学院の校門で精霊がカンナに対し呆れながら話していた。
「まぁ、それはさておき、主様はこの後どうするのじゃ?入学式まで時間があるぞ?」
「中庭に行って読書。その方が絶対に目立たない。」
携帯端末機器を取り出したカンナは構内図を見ながら、目的地へと歩き出した。
「まぁ、主様本来の力ならあのような課題余裕なのにのぅ?なぜ、手を抜いたのかそろそろ知りたいのじゃが。」
精霊は白銀に輝く自分の髪を耳にかけながら、カンナの横顔を見た。
「手を抜くなんて人聞きの悪い事を言わないで。シーラはさ、あんなに簡単な課題を制限つけて何処まで出来るかの方が面白くない⁇」
カンナは自分の肩に座っているシーラと呼ばれた精霊に不敵な笑みを浮かべた。
「なるほどのぅ。まだ理由があるようじゃが、今は納得をしておくぞ。」
話している間に中庭に着き、カンナはベンチに座り本を開いた。シーラは暇になり肩に座ったまま寝始めた。それから30分程経つと少し外が騒がしくなり始めたので、シーラは光の粒子となり姿を消した。角を曲がった瞬間誰かとぶつかった。
「すまない。怪我はないか?」
女性を見ながら
(うちの学院の者ではない?服装を見る限り、かの有名な帝国の者。なぜ…)
疑問を持ちながら謝罪し、何ともないことを伝え、この場をカンナは去った。カンナが去った後、女性は目的地に向かいながら
「…今度こそ」
シーラは姿を消したまま、後をついていたため、この呟きを聞いた。
(何やら面白そうな事が起きそうじゃ)




