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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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139/181

第139話「死線」

能研ハウス前――


ペインの笑みが消えた。

その瞳にあるのは、純粋な殺意だけ。

「遊びは終わり。」

低く呟く。


bloodbath Slaughter――殺戮真化。


ドォォォォン!!

禍々しい闘気が爆発し、周囲のアスファルトが一気に砕け散る。

ソウヤは拳を構え直した。

「イレイダ。」

「ああ。」

「今まで以上に来るぞ。」

「死ね。」

その一言と共に、ペインの姿が消えた。

「っ!」

レイの感覚が危険を知らせる。

(右――違う!)

(正面だ!)

ソウヤは反射的に腕を交差させる。

ズガァァァァン!!

拳が防御ごとソウヤを吹き飛ばした。

「ぐあぁっ!」

数十メートル先まで転がり、道路を大きく削る。

「ソウヤ!」

イレイダが飛び出す。

しかし。

「遅い。」

ペインはすでに背後へ回っていた。

「!」

振り向く間もなく、肘打ちが脇腹へ突き刺さる。

ドゴォッ!!

「かはっ……!」

イレイダの身体が宙へ浮く。

さらに追撃。

回し蹴り。

ズドォォン!!

イレイダは能研ハウスの外壁へ叩きつけられた。

「イレイダさん!」

結衣の悲鳴が響く。

「こんなもの?」

ペインは退屈そうに首を鳴らす。

「期待外れだな。」

ソウヤはゆっくり立ち上がる。

口元から血が流れる。

「まだ……終わってない。」

「そう。」

ペインは笑わない。

「なら。」

「終わらせる。」


一方――


雛儀とラルゴ

「はぁぁぁッ!」

帝凰剣が炎を纏う。

ラルゴは真正面から拳を振るう。


Storonger――怪力。


ドォォン!!

剣と拳が激突する。

衝撃だけで周囲の建物の窓ガラスが割れる。

雛儀は押し負けない。

「まだだ!」

帝凰剣を滑らせ、ラルゴの腕を斬り裂く。

ラルゴは初めて後退した。

「……。」

「強い。」


別の戦場

アランダは依然として余裕の笑みを浮かべていた。

「みんな疲れてきたみたいだわね。」


neuropastum(傀儡)。


人形たちが燕たちを囲み続ける。

燕は息を切らしながらも構えを崩さない。

「まだ……負けません。」

結衣も回復を続ける。

「燕さん!」

「あと少しです!」

しかし、人形の数は減らない。

「切りがない……。」

柚季が舌打ちする。


屋上

ネネは胸の前で手を握り締めていた。

「ペイン……。」

マランは黙って戦場を見つめる。

ネリクマが横目で尋ねる。

「まだ動かないの?」

「……。」

マランは答えない。

だが、その拳は少しずつ強く握られていた。


その頃。


グランは静かにモニターを見つめる。

「能研よ。」

「そろそろ限界か。」

その時だった。

一人の部下が慌てて部屋へ駆け込む。

「グラン様!」

「何だ。」

「能力研究所周辺へ――」

「名取家の三名が接近しています!」

グランの目が細くなる。


「来たか。」


静かに立ち上がる。


「ようやく。」

「本命のお出ましだ。」


その頃――


能研ハウスから数キロ離れた場所。

三つの人影が、静かに戦場を見据えていた。


名取惣一。

千藤院刹那。

夜鳴鵺夢幻。


惣一は静かに前を向く。

「急ぐぞ。」

「能研が持ちこたえているうちに。」

三人は一斉に地を蹴った。


ついに――

名取家一行が戦場へ動き出す。


第139話 完

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