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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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133/182

第133話「傀儡舞踏」

能研ハウス――


三つの戦場。


ソウヤ・イレイダ VS ペイン。


雛儀 VS ラルゴ。


そして――


結衣、燕、小雨の前へ、妖艶な笑みを浮かべる女が立っていた。


アランダ。


彼女はゆっくりと指先を動かす。

「ふふ……。」

「怖がらなくていいわ。」

「この子たちは、とても優しいもの。」

その後ろに並ぶ十数体の人形が、一斉に首を傾けた。

まるで本当に生きているかのようだった。

結衣は思わず息を呑む。

「気を付けて……。」

「あの人形……普通じゃない。」

アランダは静かに目を閉じる。

「踊りなさい。」

その一言と共に能力を発動する。


neuropastum――傀儡。


カチッ――。

人形たちの瞳が赤く光る。

「行きなさい。」

十数体の人形が一斉に飛び出した。

「来る!」

燕が前へ出る。

「結衣さんは下がって!」

人形の拳が燕へ襲い掛かる。

ガキィン!!

燕は腕で受け止める。

「重い……!」

見た目は木製の人形。

しかし、その一撃は人間とは思えないほど重かった。

「私も!」

小雨が眼帯へ手を掛ける。

左目がゆっくりと開く。


Sleep inducer――睡眠誘導。


人形を見つめる。

しかし――。

「……効かない?」

アランダが優しく笑う。

「当然よ。」

「この子たちに眠りなんてないもの。」

小雨は驚きを隠せない。

「能力が通じない……。」

その瞬間。

一体の人形が結衣へ飛び掛かる。


「危ない!」


燕が飛び込む。

ドォン!!

人形を蹴り飛ばす。

しかし。

空中で体勢を立て直し、再び襲い掛かってくる。

「嘘……。」

結衣は表情を曇らせる。

「人間みたい。」

アランダは嬉しそうに微笑んだ。

「でしょう?」

「私の自慢の子たちなの。」

一方。


ソウヤたちの戦場

「はぁぁぁ!」

ソウヤの拳。

イレイダの蹴り。

連携はさらに鋭さを増していた。

しかし。

ペインは笑う。

「いいね。」

「その調子だぜ!」


bloodbath Slaughter――殺戮真化。


超高速で二人の攻撃を躱す。

「もっと本気になれ!」

ドゴォッ!!

拳がソウヤを吹き飛ばす。

イレイダもすぐに追撃するが、紙一重でかわされる。


雛儀とラルゴ

帝凰剣が閃く。

「せいッ!」

キィィィン!!

今度はラルゴの肩を切り裂いた。

「……。」

ラルゴは傷口を見る。

血が流れている。

「痛い。」

その一言だけだった。

「なら。」

「俺も。」

ラルゴが拳を握る。


Storonger――怪力。


大地が震える。

巨大な拳が振り下ろされる。

雛儀は間一髪で避けるが、衝撃だけで吹き飛ばされる。

「くっ……!」


屋上

マランは静かに戦場を見つめていた。

ネリクマも視線を逸らさない。

「お前。」

ネリクマが口を開く。

「本当に、この戦いを見てるだけなの?」

マランは少しだけ目を閉じる。

「……。」

「今は。」

その返答にネリクマは眉をひそめた。

「今は?」

マランは何も答えない。

その胸の奥では、グランへの忠誠と、自身の迷いが静かにぶつかり合っていた。


アランダは再び指を鳴らす。

パチン。

すると、人形たちが一斉に隊列を組み始めた。

「ここからが本番よ。」

人形たちはまるで一つの生命体のように連携し始める。

燕は、自らの拳を構え直した。

「連携してくる……!」

結衣も回復能力を維持しながら身構える。

小雨も再び眼帯へ手を添えた。


能研は、かつてない連携戦へと引きずり込まれていく。


そして、その戦場を遠くから見つめるグランは静かに笑っていた。


「素晴らしい。」

「絶望は、ここから始まるのだ。」


――第133話 完

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