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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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132/181

第132話「傀儡の微笑」

能研ハウス前――


戦場は二つに分かれていた。


ソウヤ、イレイダとペイン。


雛儀とラルゴ。


激しい戦闘が続く中、結衣たちは負傷者の救護を行っていた。

「結衣先輩!」

「こっちは大丈夫!」

結衣は回復能力を発動しながら周囲を見渡す。

「みんな、無理はしないで!」

ドォォォォン!!

ラルゴの拳が地面を砕く。

雛儀は帝凰剣で受け流しながら距離を取る。

「なんて力……!」

ラルゴは表情一つ変えない。

「逃げる。」

「壊せない。」

再び拳を振り上げる。

Storonger(怪力)

轟音と共に巨大な瓦礫が宙を舞う。

雛儀は剣で切り裂きながら突き進む。

「はぁぁぁぁッ!!」

帝凰剣が一直線にラルゴの胸元を狙う。

キィィィィン!!

火花が散る。

今度は浅く切り裂いた。

ラルゴは初めて傷口を見下ろす。

「……。」

「切れた。」

雛儀は息を整えながら微笑む。

「あなたも、無敵ではありません。」

一方。

ペインとの戦い。

「遅い!」

ペインの拳がソウヤへ迫る。

しかし。

「そこだ!」

ソウヤはレイの戦闘技術を活かし、懐へ潜り込む。

ドゴォッ!!

拳がペインの脇腹へめり込む。

「ぐっ!」

ペインは一歩後退する。

イレイダも間髪入れず飛び込む。

「逃がすか!」

鋭い蹴りが炸裂。

ドォン!!

二人の連携が少しずつペインを追い詰め始めていた。

「ハハハ!」

ペインは笑う。

「最高だ!」

「もっとだ!」

その時だった。

「ふふ……。」

戦場に、妖艶な笑い声が響く。


全員が振り向く。


一人の女性。

長い髪を揺らし、優雅に歩いてくる。

その後ろには、十数体の人形。

どれも人間のように自然に歩いていた。


「あなたたちが能研?」


女性は優しく微笑む。


「久しぶね。」

「私は――」


人形たちが一斉に構える。


「アランダ。」

「neuropastum(傀儡)の能力者よ。」


アランダは人形の頭を優しく撫でる。

「この子たち、寂しがり屋なの。」

「だから。」

「お友達が欲しいのよ。」

その瞳が、結衣を見つめた。

「あなた、優しそうね。」

「私のお人形にならない?」

結衣の背筋に寒気が走る。


「結衣!」


ソウヤが叫ぶ。

しかし、その隙をペインは見逃さない。

「よそ見はナンセンスッだぜ!!」

ドゴォォッ!!

拳がソウヤを吹き飛ばす。

「がはっ!」

イレイダが舌打ちする。

「チッ!」

「厄介なのが増えやがった!」


屋上

ネリクマはアランダを見つめる。

「アランダか……。」

マランは静かに目を閉じる。

「予定通りだ。」

ネネが不安そうに尋ねる。

「まだ終わらないの?」

「終わらない。」

「グランは。」

「これだけで終わらせる男じゃない。」

アランダは優雅に指を鳴らす。


パチン。


その瞬間。

十数体の人形が一斉に能研メンバーへ襲い掛かった。

「きゃあっ!」

結衣が咄嗟に後ろへ跳ぶ。

燕が前へ出る。

「結衣さん!」

「ここは私が!」

小雨も左目の眼帯へ手を掛ける。

「私も……戦います。」


能研は三つの戦場へ分断された。


ソウヤ・イレイダ VS ペイン


雛儀 VS ラルゴ

燕・結衣・小雨 VS アランダ


そして、そのすべてを遠くから見つめるマランの視線は、なおネリクマから離れなかった。


第132話 完

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