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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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131/181

第131話「怪力」

能研ハウス前 (※以後、能研本部から能研ハウスに変更。)


ドン……

ドン……

ドン……


地面を震わせながら、一人の巨人が歩いてくる。

身長二百五十センチ。

圧倒的な体格。

無表情のまま、一歩ずつ前へ進む。


ラルゴ。


その姿を見た燕が思わず息を呑む。

「大きい……。」

イレイダも刀を構えたまま視線を向ける。

「二人目か。」

ペインは振り返り、軽く手を振る。

「遅かっじゃん。」

ラルゴは低い声で答えた。

「……道。」

「混んでた。」

その一言だけだった。


屋上

ネリクマはラルゴを見下ろす。

「また増えた。」

マランは表情を変えない。

「グランは最初から二人で潰すつもりだった。」

ネネが小さく俯く。

「戦いが……大きくなる。」


能研ハウス前

ラルゴはソウヤたちを見回す。

最後に視線が止まったのは――

仭内雛儀。

雛儀も一歩前へ出る。

腰の帝凰剣へ静かに手を添えた。

「……私?」

ラルゴは短く頷く。

「強い。」

「だから。」

「壊す。」


その瞬間。


ラルゴの右拳が握られる。


Storonger(怪力)。


ドゴォォォォォン!!


ただ拳を握っただけで、足元のアスファルトが陥没した。

タジが思わず叫ぶ。

「何だあの馬鹿げた腕力!」

雛儀は帝凰剣を抜く。

「相手になります。」

イレイダが横を見る。

「雛儀。」

「一人で行く気か。」

雛儀は静かに微笑んだ。

「相手は私を狙っています。」

「なら。」

「私が受けます。」

ソウヤが前へ出ようとする。

しかし雛儀は首を横に振る。

「ソウヤ。」

「ペインはお願いします。」

「……。」

「この巨人は。」

「私が止めます。」

イレイダは少しだけ笑った。

「無茶するなよ。」

「もちろんです。」

ラルゴはゆっくりと歩き出す。

ドン……

ドン……

一歩ごとに地面が揺れる。

「来い。」

雛儀も剣を構える。

「参ります。」


次の瞬間。


ラルゴが踏み込んだ。

巨体とは思えない速度。

「速い!」

ソウヤが驚く。

ラルゴの拳が振り下ろされる。

ズガァァァァン!!!

雛儀は紙一重で回避。

拳が地面へめり込み、巨大なクレーターが生まれた。

「……!」

雛儀は即座に反撃する。

帝凰剣が一直線に走る。

キィィィン!!

しかし。

「硬い……!」

ラルゴの腕は傷一つ付いていなかった。

「効かない。」

ラルゴは静かに言う。

「なら。」

「もっと速く。」

雛儀は再び構え直す。

一方。

ペインは笑いながらソウヤへ視線を向ける。

「いいね。」

「これで邪魔者はいない。」

ソウヤは拳を握る。

「まだ俺たちがいる。」

イレイダも並ぶ。

「二対一。」

「続きだ。」

ペインは嬉しそうに笑った。

「最高。」

「もっと楽しませてくれよ!!」


bloodbath Slaughter(殺戮真化)を纏い、再び姿を消す。


能研ハウス前は二つの戦場へ分かれた。


ソウヤ・イレイダ VS ペイン

雛儀 VS ラルゴ


そして屋上では、マランとネリクマが静かに互いを見つめ続ける。


誰もまだ気付いていない。


この戦いの裏で、第三の刺客が静かに能研へ近付きつつあることを――。


第131話 完

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