7話 偉大な軍師様。
7話 偉大な軍師様。
(せめて、トウシさえいてくれたら……)
こういう時、真っ先に頼りたくなる顔が浮かぶ。
それすら叶わない現状が、地味に堪えた。
そんな思いから、センは、
「おい。タナカトウシって知ってるか?」
我ながら、間の抜けた質問だ、とセンは思う。
こんな辺境の山賊が、トウシの名前など知っているはずがないだろう、と……
――そう、思っていたのだが。
男は、怯えた顔のまま、心底不思議そうに聞き返してきた。
「……は? タナカトウシ……って、まさか、『銀河の智将』のことか? そ、そんな有名な名前を知らないわけないだろう」
「――ん?」
センは、一瞬、聞き間違いかと思った。
空気が、わずかに変わる。
「知らないわけないって……お前ら、なんで知ってんだ」
「な、なんでって……」
男は、混乱しながらも、質問には答えた。
この状況で、下手に隠し事をする度胸などなかったのだろう。
「ラッキ護衛軍の軍師様だろうが……名前ぐらいは誰でも知ってる……もちろん、会った事などはないが……」
「ラッキ軍の……軍師? えぇ……難しいな……どういうことだ、それは……」
理解するのに時間がかかった。
頭の中で、聞いた言葉が意味を結ぶまで、妙な間ができる。
「えっと……あの……それは、いつからだ? トウシは……いつから、ラッキ軍の軍師をしている?」
「しらねぇよ……俺が生まれるより、ずっと前だ……何百年前とか……そんなんじゃねぇのか? お、俺、学はねぇんだ……とにかく、俺の親とかが生まれる前から、ずっと『智将トウシ』は、ラッキ様の右腕として有名だ」
その返答に、センは、さらに言葉を失う。
(想像以上に……だいぶ、込み入った面倒くささになっているらしいな……だりぃねぇ)
頭をぼりぼりとかいてから、
センは、
「……ちなみに、他にも聞きたいんだが。アダムとか、シューリとか、平熱マンとか、ゾメガとか……知ってるか?」
「……アダム……シューリ……それはしらねぇ。ただ、平熱マンとゾメガなら知っている。てか、知らねぇ奴の方が少ないだろ、その名前は……どちらも、ラッキ護衛軍の最高位幹部だ」
その一言に、センは目を細めた。
配下たちの名前を、次々と挙げていく。
男は困惑しながらも、一つ一つに頷いていく。
アダムやシューリ以外にも、何人か、
「そ、そいつは知らない」
――という者がいた。
また、百済や楽連のメンバーになると、山賊の知識では、『聞いたことある名前もある』という状態だった。
ここまで読んでくださっていること、まずは心から感謝します!
いつも本当にありがとう!
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チラ見だけでもよろしくお願いいたします<m(__)m>




