6話 俺の許可なく喋んな、殺すぞ。
6話 俺の許可なく喋んな、殺すぞ。
「ヒザを砕くから、かなり痛いぞ」
そのまま、すさまじいかかと落としで、男の膝の皿をぐちゃっと叩き潰す。
「ぎゃああああああああああああああああああ!!」
とんでもない悲鳴が森の中に響き渡った。
鳥の群れが、驚いたように一斉に飛び立っていく。
センは、叫んでいる男の頭をつかみ、
「うるせぇよ。だまらねぇと、もう一つの皿もバラバラにするぞ」
全力で凄むと、その覇気におされて、男は、泣きながら必死に押し黙った。
三歳児の姿から放たれているとは思えない、底冷えのする圧だった。
「いい子だ、ボーイ。それでいい」
と、3歳の子供が、いいオッサンの頬をペシペシしながら。そんなことを言う。
異常な光景。
秒で倒された三人を見下ろしながら、センは軽く肩を回す。
小さな体は、それでもわずかに息を弾ませていた。
力はゴミでも、体を動かすための代謝までは誤魔化しきれない。
センは、二人目に倒した男の胸倉を掴み、無理やり顔を上げさせると、
「さて、と」
冷たい声で告げた。
「聞きたいことがある」
男は、みぞおちの痛みに泡を吹きつつも、恐怖に顔を引きつらせて、
「……な、なんだ……お前……そんな小さな体で……どういう……なんで……」
「俺の許可なく勝手な喋んな。ころすぞ」
そう言いながら、男の耳をひきちぎる。
どこまでも容赦のない閃光。
「ぎゃあああ!! ああ!!」
「うるせぇ。耳ぐらい、神殿の欠損治癒でなおるだろ。本当なら両目をつぶしてやろうと思ったんだが、それは勘弁してやったんだ。ありがたく思え、カスが」
男の悲鳴が、ひとしきり森に響いたあと、やがて嗚咽に変わっていく。
もはや、目の前の幼子が何者なのか、理解しようとすることすら放棄したような顔だった。
センは、そのまま容赦なく尋問を続ける。
「さっきの質問に答えろ。俺ほどじゃないにしても……妙に強くて、妙に顔がよくて、妙に賢い……そんなガキどもを知らねぇか?」
「し、し……知らない……お前みたいな変なガキは……見たことない」
「そうかい……くそが……」
そこで、センは色々と考える。
どんな質問をするのがベストなのか。
何をどう聞けば、配下たちの回収にもっとも近づけるか……
考えてみるが、うまい方法が見つからない。
情報の断片すら、まだ何一つ掴めていない。
(くそ……せめて、トウシさえいてくれたら……)




