最終話 疲れた。
最終話 疲れた。
「尊き師よ……あなた様は、いくらなんでも、我々に対して過保護が過ぎます。いい加減にしていただきたい。今の御言葉も、いつもの御冗談ではなく、本気で仰っているのでしょう。殺されるはずがないと高を括っておられるわけでもなく、本当に、自らを殺させることが、配下を守る上で最善である、とお考えなのでしょう。なぜ、いつも、いつも、そうやって御身を犠牲になさるのですか。だいたい――」
そこから説教が始まった。
平熱マンは、センの自己犠牲がどれほど異常かを切々と語り始めた。
センにとっては、死ぬことなど、昼下がりのコーヒーブレイクと変わらない。
必要なら何度でも死ぬし、それで配下の安全が少しでも増すなら、むしろ安いとすら思っている。
しかし、配下たちからすれば、それは到底許容できる価値観ではなかった。
無駄な議論がしばらく続いたのち、
とうとうトウシが本気でイラついた顔になった。
過保護大爆発のセンに対し、
「ワシとおどれが本気でいけば、ラッキ護衛軍が何をしてこようと、こいつらを完全に守れるやろ。もうええ加減にせぇ! パワーレベリングはいらん! 普通にこいつらと一緒にいく!! 以上ぉお!」
それは感情論ではなく、純粋な戦力計算。
――最終的に、センが折れる形となり、何かあった場合は即時退却する、ということで結論が出た。
会議が終わると、センは大きく息を吐く。
「流石にちょっと疲れたから、少し寝る」
その言葉に、誰も反対しなかった。
センは会議室を出る前に、全員へ短く命じた。
「何かあったらすぐ呼べ」
そう言い残して、自室へ向かう。
扉を閉め、誰もいない部屋の中でベッドに腰を下ろすと、ようやく空気が静かになった。
外では配下たちが出立準備を進めている気配がある。
結界の調整音、術式の展開音、遠くで交わされる小さな会話。
それらをぼんやりと聞きながら、センは仰向けに倒れ込んだ。
「……疲れた」
誰にも聞こえない声で呟く。
配下たちと無駄な討論を重ねたせいか、酷く疲れている。
天井を見つめる目だけが、やけに冴えていた。
この世界を探索するにあたり、『睡眠不要』などのスペシャルは切って、完全探索に特化したビルドにしてある。
膨大なリソースとメモリを持つセンだが、本気で特化ビルドを組めば、色々とかつかつになる。
同格との戦闘は長引くため、戦闘用ビルドなら『睡眠不要』も必須。
一度寝て起きたら、戦闘を想定した構成に組みなおそう……
……などと思いつつ、センは……眠りについた……
そして、閃光は眠りにつきましたとさ。
めでたし、めでたし。
……いやぁ、理想的な最終話でしたね(*^▽^*)
全ての伏線が見事に回収されて、助けたい人も全員助けることができて……
舞い散る閃光「どう読んだら、その解釈にいたるのか、一から十まで教えてくれ」




