14話 悪をコントロールする悪。
14話 悪をコントロールする悪。
「そこのゴミみたいなやつを『完全に封じる』ことなんてできねぇしなぁ……」
センCはバズの死体を見ながら呟いた。
その声を聞いたギャンが震えながら、
「げ、猊下……」
ゼノリカの九華と同じく、ラッキ護衛軍の面々も、下々の者からは『猊下』つきで呼ばれている。
つまり、ギャンは完全に勘違いしていた。
センCのことをラッキ護衛軍の一員だと思い込んでいる。
「な、なぜ? 我々は上納金も納めています。定められたルールも守っています。なのに、な……な、なぜ処分されるのですか?」
センCは興味なさそうに答えた。
「さっき言ったろ。俺は強いから、ザコのお前らに何をしてもいい。それだけだ。さっきも言ったが、ごちゃごちゃ文句抜かすな。自分はやってもいいけど、やられるのは嫌って? 許されるか、そんなワガママ」
ギャンは絶句した。
確かに文句のつけようがなかったから。
「だいたいのことはわかった。俺はもう行く。……情報収集の間、色々と考えたが、お前らは、まだギリ、『悪をコントロールする悪』として使えそうだから生かしておいてやる。今後も、『クズを管理する組織人』として額に汗かきながらまじめに働け」
そう言いながら、センCは二人の頭に手を置いた。
記憶操作の魔法が発動し、センCに関する記憶だけが綺麗に消えていく。
後には、無かったことにされた恐怖と、床に残った染みだけが残された。
★
センアバターラBからUまで、総勢20体による調査は驚異的な速度で進んだ。
本体と常時情報共有を行う超高性能偵察端末が20体。
その性能は伊達ではない。
軍事、政治、宗教、経済、裏社会。
あらゆる分野を同時並行で調査した結果、わずか半日ほどで、この銀河の概要はほぼ把握できていた。
回収された情報は順次書類へまとめられ、会議室へ運び込まれる。
センは資料を整理し、トウシはそれを読みながら分析を行う。
配下たちも同席し、それぞれの視点から意見を出していた。
積み上げられた報告書の山が、この短時間でどれほどの情報が集まったかを物語っていた。
大量の報告書を机の上へ並べたあと、センが、
「一般人の存在値は強い奴でも50前後。かなりの上澄みでも300程度……」
それはゼノリカと大差ない数字だった。
配下たちも静かに頷く。
「ただし、女王ラッキの護衛軍は別……」




