8話 萎えぽよ。
8話 萎えぽよ。
また扉から、一人やってくる。
現れたのは、シューリ・スピリット・アース。
センの師匠であり、五聖命王の一人にして、PSR部隊の特別顧問。
ゼノリカでも最高位の地位につく究極超女神。
「うわ、森じゃないでちゅかぁ……やだぁ……オイちゃん、キャンプとか無理ぃ。舗装されていない地面とか萎えぽよぉ」
ボリューム満点の煌く金髪。
キラッキラの神盛りメイク。
無駄に露出が多いキャバスーツ。
ドンと開いた胸元にはキレッキレの谷間。
あまりにもギャルが過ぎる美女。
「帰っていただいても、全然結構ですよ、姉さん。むしろ、あなた様には、第二アルファを守っていただきたいところ。もし、俺やトウシに何かあった場合は、あなたがゼノリカの王になるんすから」
「そんなこと言って、ほんとはオイちゃんがいないと寂しくて泣いちゃうくせに。甘えん坊のお兄は、オイちゃんのおっぱいを吸いながらじゃないと、ろくに夜も寝れないじゃないでちゅかぁ」
「姉さん、流石に下品すぎます。ボケるのは結構ですが、周りがガチで引くネタはご容赦願いたい」
★
配下たち全員が扉を通り終えたことを確認すると、センは即座に指示を飛ばした。
「まずは拠点だ。探索はそのあと」
号令と同時に、天上の面々が動き出す。
森の一角が切り開かれた。
もっとも、木を伐採するなどという生易しい作業ではない。
空間ごと整地され、巨大な樹木は根ごと別領域へ移送されていく。
三至や九華や楽連の面々が地盤を固め、
十席やアダムや百済の面々が結界の骨組みを構築し、
トウシが全体設計を調整する。
膨大な神字術式が空中に展開され、無数の光が森の中を走る。
まるで夜空を切り取ったような光の奔流が、静かだった森を一変させていく。
普通の国家であれば数年はかかる規模の城郭建設。
しかし、ここにいるのはゼノリカ最高戦力の集団。
ほんの数時間で、森の中央には巨大な城塞都市が完成していた。
高い外壁。
複数の監視塔。
緊急転移設備。
防衛結界。
物資保管区画。
戦時運用を前提とした堅牢な拠点が、何もなかった森の中に出現している。
さらに、その全体を覆うように高度な隠蔽術式が展開された。
光学迷彩。
存在値隠蔽。
認識阻害。
魔力痕跡消去。
幾重にも重ねられた不可視化結界によって、外部から見れば、そこにはただ森が広がっているようにしか見えない。




