66話 俺が絶対に勝てない最強の王。
66話 俺が絶対に勝てない最強の王。
「そうだな。俺以外だったら確実に死んでいた。俺にとっては、心臓を潰されるぐらいは、髪の毛を一本抜かれたぐらいの感覚だから、なんとか生きていられるが、普通のジャッジだと致死量ダメージをくらったのは事実。ということで俺の敗北を認める。これで、お前と俺の戦績は0勝1敗だな。さて、じゃあ、二回戦を始めようか。お前は強すぎるから、この5日間で、1000回ぐらいは殺されるかもなぁ。でも……知ったこっちゃねぇ。その時は、また当たり前のように……1001回戦目を開始するだけの話だ。さあ、やろう。田中トウシ。まだまだ『俺たちの闘いはこれから』だ」
「……頼むから、このえぐい漫画、打ち切らせてくれや……もう、動かれへんて……」
「バカ言うな。まだ闘いは始まったばかりだろうが。俺とお前の闘いが、数分やそこらで終わるワケないだろう。実のところ、俺たちの闘いは、まだ始まってすらいない。さあ、拳を握れ。ここまでのセッションは、準備運動前のアクビにすぎない。ちなみに、お前と俺じゃあ、スペックに差がありすぎるから、ハンデとして、お前が何回勝とうと、俺が一回でも勝てば、俺の勝ちな」
「……え、ほんまに? ほんまに、まだやるん? うそやろ……いや、無理やて……もう、体、動かれへん……」
冗談ではなく、マジで二回戦を開始するペン。
ここまでの闘いで、トウシは、ペンを理解した気になっていたが、
しかし、実際のところ、トウシは、
ペン・ケースの狂気を、何一つとして理解できてはいなかった。
★
激突を繰り返すたび、玉座の間に轟音が響く。
拳が交差する。
尾部ユニットがうなりを上げる。
空間そのものが軋み、衝撃の余波が床や壁を削り取っていく。
打ち合うたびに散る火花が、崩落した瓦礫の隙間を白く照らしては消えていった。
その激戦の最中ですら、二人の会話だけは妙に平常運転。
「さすが、トウシだ……お前は、どのフラグメントでも完璧……俺が絶対に勝てない最強の王」
「いや、お前の方が強いけどな……ワシ、なにしても勝てる気せぇへんねんけど」
「前者は間違っているが、後者は間違いないぜ。もうわかっただろう? お前じゃ俺は殺せねぇ。お前は常に俺の遥か先をいくド天才だが、そんなお前でも、俺を殺すことはできない。お前がいくら、遥かなる高みから神の一手を放とうと、俺という狂った理不尽は、盤外で全てをあざ笑う」
なろう版「名字が田中になる」の連載を記念して、
今日は、「蝉原勇吾は怖すぎる」の方を2話投稿します(*^_^*)
もうすでに、たくさん応援いただけているので、
心苦しいところではありますが、もし、よろしければ、
なろう版「名字が田中になる」の方も、応援いただければ幸いです<m(__)m>
いつも、頼ってばかりで申し訳りません。
いつも、いつも、本当にありがたく思っております(*^_^*)




