64話 俺は不完全だから、お前に勝てる。
本日の2話目です。
64話 俺は不完全だから、お前に勝てる。
「ああ。完璧なランダムだぜ。だが最適解だ。お前は完璧だから最適解しか出せない。ゴミにはなれない。愚かさを拒絶する。『完全な無意味』をひねり出そうとしても、無意識のうちに、『完璧な無意味』をロジカルにパターン化させてしまう……」
「……」
「お前は完璧で、俺は不完全だから……俺はお前に負けない。勝てないかもしれないが、負けもしない」
その言葉には、ペンなりの矜持と諦観が同時ににじんでいた。
「かっこええやないか……世界がどうとか、ログアウトがどうとか関係なく……本気で勝ちたくなってきた」
互いの拳が重なり合う。
骨と骨がぶつかる硬質な音ではなく、もっと根源的な、存在と存在が拒否し合うような重い響きが玉座の間に広がった。
砕けた空間の欠片が銀河の残滓のように舞い散る中、二つの流星は幾度となく運命の軌跡を交差させた。
衝突のたびに世界の輪郭が軋み、散った火花が刹那の星座を描いては消えていく。
その一撃一撃が、空間そのものにヒビを入れ、玉座の間の壁や柱を軋ませては崩し続けている。
その攻防はもはや一介の戦闘におさまらない。
魂と魂が削り合うことでのみ生まれる、名もなき芸術。
終焉と執念が織り上げる、一瞬だけ存在を許された神話のようですらあった。
「……ワシはある意味で完成しとる。だから綺麗に勝とうとする。お前は極端に壊れとる。だから勝つためなら、なんでもできる……そんな感じか?」
「それはそれで正解だ……けど、大事なことは、もっと奥にある」
「ほう。大事なこととは?」
「さぁな。それが分かったら、誰も苦労しねぇ」
「古いロープレの村人(NPC)ぐらい、おんなじことしか言わんな、この怪物」
「悪いな、トウシ……もうだいぶ見えてきた。お前の呼吸……基礎も外し方も全部、息継ぎすら止まって見えるぜ」
「……ほんまに強いな、ペン・ケース! 憧れてきたわ!」
「ナメんじゃねぇよ。お前ほどの高スペックな銀河帝王が、俺なんかに憧れちゃいけねぇ。その愚行は、お前に焦がれている俺に対する冒涜だ。俺が何を言っているかわかるか? 俺にはさっぱりわからない。わかりたくもない」
「戦えてよかった……おかげで、おもろいもんを学習できた。たいていの真理は既に掴んだ気になっとったけど……どえらい勘違いやったわ」
「名字が田中になる」ですが、だいぶたまったので、なろうでも連載を開始しました。
それを記念して、今日は本編を3話投稿します。
下から飛べるようにしてありますので……もし、よろしければ、応援いただければと思います。
よろしくお願いいたします<m(__)m>




