58話 正統なる銀河の支配者にとっては、ちょっとした永遠よりも長い時間。
58話 正統なる銀河の支配者にとっては、ちょっとした永遠よりも長い時間。
3人の動きが止まったのを確認してから、ペンは改めてトウシへ向き直った。
「……さて、トウシ……この問題の解決策を考えてくれ。俺ごときではあまりにも力不足だが、絶対的王であるお前の臣下の一人として、全力で協力させてもらう。だから――」
「せやから、もうないねん。諦めろ」
その言葉と同時に、エグゾギアのブースターが轟音を上げる。
爆発的な推進力が解放され、玉座の間の空気が震えた。
豪速で向かってくる怪物を前に、ペンは
「……エグゾギア、起動」
自身も、深淵の怪物を身にまとう。
展開されたアザト・エグゾギア。
黒い外殻が身体を覆い、尾部ユニットが唸りを上げる。
そして始まる。
この世で最も強大な怪物どうしのぶつかり合い。
★
けたたましい駆動音を響かせながら、二体のエグゾギアが激突する。
黒い尾部ユニットが空間を裂き、拳と拳がぶつかり合うたびに玉座の間が震えた。
トウシは一直線にペンへ襲いかかる。
対するペンは迎撃せず、ひたすら回避に徹しながら、
「悪いが、まだ5日も猶予があるんでね。……死ぬ気で粘らせてもらう。別の方法を考えろ。お前なら思いつくはずだ。120時間なんて、お前にとっては、ちょっとした永遠より長いだろ」
「せやから、ないて!」
トウシの拳が唸りを上げる。
ペンは紙一重のところで身をずらし、その一撃を避ける。
コスモゾーンの法則がなければ、銀河全部が吹っ飛びかねないほどの一撃。
だが、ペンは涼しい顔で、
「大丈夫、お前は無敵だ。俺は偏差値が高いから分かる。お前がその気になれば、間違いなくいける」
「お前、ワシのなに知ってんねん!」
凄まじい速度で放たれる連撃を、ペンはギリギリのところで回避し続ける。
当たれば終わる一撃を避けながら、それでもペンは口を止めない。
「お前も俺と同じで退路がないと脳が活性化しないタイプ……だと期待して、お前の退路を断つ。俺は絶対に死なない。お前が何をしようと絶対に殺されてやらない。ありえない話だが、仮にお前が『5日かけて、何も見つけることができませんでした』となった場合、俺は全員と心中する。……この状況を打破する方法は、魔王を生かす方法を見つけるしかない」
トウシが踏み込むたびに床が軋む。
常識では測れない加速。
一瞬のうちに数百、数千の攻撃が放たれ、そのすべてが必殺の威力を秘めていた。
黒い尾部ユニットが蛇のようにうねり、死角という死角を埋め尽くす。
だがペンは、そのすべてを紙一重で避け続ける。




