56話 ペンの頭では到底思いつかないような方法を試しに試し尽くしたうえで、トウシはここにきていた。
56話 ペンの頭では到底思いつかないような方法を試しに試し尽くしたうえで、トウシはここにきていた。
「ははは。おもろい、おもろい」
「なにわろてんねん。一個もシャレてへん」
「安心しろ。田中・イス・トウシよ。お前は完璧だ。俺にできないことを、お前はいつだって平然とやってのける。誰も勝てない究極の超人! 全ての不可能を可能にする銀河最強の天才! 俺は詳しいんだ」
「せやから無理やて。ここにくる前に、おおよそ全部ためした。で、お前とそこの魔王を殺すしか方法がないということが分かった。せやから、この世界に閉じ込められるんを承知で、わざわざここまで殴り込みにきてんねん」
そこからは逆にトウシのターン。
このアサルトアルファに乗り込む前に何をしてきたのか。
ペンの頭では到底思いつかないような方法を試しに試し尽くしたうえで、トウシはここにきていた。
最初は余裕で笑っていたペンだったが、
トウシの真剣な説明が重なるたびに顔が青くなっていく。
「……え? じゃあ、マジで無理?」
「おどれと魔王を殺す……それ以外の方法はない」
玉座の間の空気が凍った。
ペンの顔から血の気が引いた。
幼女魔王が不安そうにペンの袖を掴む。
ペンはそのまま虚空を見つめた。
「……」
どうしたものか――絶妙に凍えた空気が続く。
そんな中、それまで黙って見守っていた『壺』が、突如として不気味な光を放つ。
全員の視線が集まる。
壺は、どこか楽しそうな声音で宣言した。
『これより、プレイヤーが【ペンと魔王を倒せなかった際のペナルティ】を発表する』
それを受けて、ペンは頭を抱えた。
「ペナルティとかあるのかよ……勘弁してくれ。どこまで俺を追い込めば気がすむ」
壺は続けて、
『――ペンと魔王を倒せず、このゲームをクリアできなかったその時……宇宙が爆発する』
そのキテレツ発言を受けて、
ペンが、なんとも言えない顔で壺を見ながら、
「……また、急に、ずいぶんと雑なネタをぶちこんできたな。どうした? プロット考えるの疲れてきた?」
壺は無視して、
『タイムリミットは5日』
空間に巨大な数字が表示される。
【5:00:00:00】
カウントダウン開始。
『期限内にゲームクリアが達成されなかった場合、基底現実を含む全階層宇宙の同期整合性が崩壊する。結果として、観測可能領域は順次消滅。最終的に、全知的生命体の主観時間は永久停止する』
「へい、シリ。翻訳してくれ。俺は日本語しかわからねぇ。同期整合性ってのは、和訳するとなんだ? 俺の予想では、ハンバーグあたりが近いんじゃないかと睨んでいるんだが、どうだろうか?」




