46話 計画通り。
46話 計画通り。
「内部法則模倣、誤差0・00001%」
巨大モニター群へ、数え切れないログが流れていく。
トウシは、そこへ自身のアバター情報を投入した。
わずかな遅延が命取りになるため、当然フルトレースでの接続だった。
「存在値設定」
10垓。
アサルトアルファ上で、理論上挙動可能な最大値だった。
「アザトライザー設定は……意味ないな……どうせ、アサルトアルファ内では10垓までしか挙動せんし……」
本来なら10垓%にしたいところだったが、無意味なので、そこは放置する。
「戦闘補正、神経加速、反応速度、全部上限にしたいんやけど……なぜか、その辺の項目には、謎の『バッファ』があんねんなぁ……」
それらはどれも、血肉化を必要とする項目ばかりだった。
反復練習によって神経と骨と筋肉に染み込ませなければ、最高のパフォーマンスを発揮することはできない。
本来であれば、最低でも数十年の鍛錬が必要になる。
「まあ、でも、その辺は、この『アザト・エグゾギア』でカバーできそうかな……」
先ほど、アサルトアルファ2へダイブする前、トウシは、ペンが保有しているアザト・エグゾギアを複製していた。
『所有権』自体は『サトー』が有していたのが幸いした。
トウシからすれば、この手の作業は、お手の物。
『サトー』が味方サイドにいるのは、トウシからすれば唯一にして最大クラスのアドバンテージ。
(……こうなってくると、『ツカムがペンと行動を共にしとったこと』も、最初から、柏木の計算である可能性が高いな……)
心の中でそう邪推しつつも、
トウシは、エグゾギアを起動させる。
「あー……なるほど……こんな感じね。はいはい」
秒で、構造を理解していく。
「このエグゾギアって機能は、出力を上げるというよりも、特殊な補正をかけるんが最も得意っぽいな……」
さらに詳細を掘っていく。
凄まじい解析速度。
「……『戦闘学習性能』を極限まで上げれば……わざわざ、ワシ自身が訓練せんでも、高次戦闘力を実現することは可能やな……」
トウシは、エグゾギア内部へ異常な量の補助機能を積み込んでいく。
戦闘予測AI、挙動補完、神経先読み、反射学習、自動最適化。
――さらに、
「学習対象は……ペン・ケース」
アサルトアルファ内部の戦闘ログを、片っ端から学習させていく。
アザ・ワン戦。
アザ・ツー戦。
アザ・スリー戦。
アザ・ゼロ(バグ)戦。
アザ・エックス戦。
ペンが見せてきた、ありとあらゆる技術。
攻撃、回避、カウンター……存在値差をあざ笑う破格の戦闘力。
――そのすべてを、徹底的に解析していく。




