24話 減衰。
本日の3話目!!
24話 減衰。
ほんのわずかに、空気が緩む。
アサが、
「……いい感じに和んだところで、そろそろルール説明をさせてもらいたい」
「ありがたいねぇ。ぜひ、説明してくれ。なるべく黙って聞いておくから」
軽く笑う。
だが、その視線は一切ぶれない。
場の空気は柔らかさを残したまま、静かに張り詰めていく。
冗談めいたやり取りの裏で、全員が理解していた。
これから語られる内容が、この世界での生死を分ける基準になると。
アサは小さく頷いた。
「まず、この世界では特別な減衰効果が発動して、存在値100以上の者は、存在値100に固定される」
静かな口調。
淡々とした事実の提示。
そこに誇張も脅しもない。
それを聞いた瞬間、ペンの目がわずかに細くなる。
「ああ、やっぱりね。そんなことだろうと思っていましたよ」
予測はしていた。
だから、驚きはない。
「99以下の者には何の効果も働かないけどね」
軽く添えられた補足。
アサは、そのまま続けた。
「君たちにもその減衰効果を受けてもらう。断ることもできるけど、どうする?」
選択の提示。
だが、その実、選択肢として成立しているかは怪しい。
「ちなみに断ったらどうなるんですかいな?」
軽い調子。
だが、その問いの本質は鋭い。
「とても悲惨なことになる……気がするけれど、実際のところ、どうなるのかは分からない」
曖昧な返答。
だが、それが逆に現実味を帯びる。
確定していない不確定こそが、最も危険だと知っているからだ。
「一番怖いことを言ってくれるねぇ。まだ『死ぬ』と断言してくれた方が快活で受け入れやすいってもの……」
軽口を叩く。
だが、迷いはない。
「OKだ。アサさん、俺達全員受け入れる」
即断。
躊躇は一切ない。
その決断に割り込むように、ユズが口を開いた。
「ちょっと。勝手に決めてくれているけれど……それはどういうつもりで? もしかして、リーダーにでもなったつもり?」
棘を含んだ声。
だが、感情の爆発ではない。
確認と牽制。
ペンは、冷めた目をユズに向けて、
「じゃあ、お前だけ拒否して悲惨な目にあえや。こっちは面倒な手続きを代理でまとめて処理してやっているだけ。感謝されこそすれ、文句言われる筋合いはねぇ」
「……」
「アサさん、悪いな。アホが茶々いれてきたが、どうやら文句はないらしい。じゃあ、初めから黙ってろと言いたいが、ここは大人の対応をさせてもらう。……はじめてくれ。俺たちは全員受け入れる」
「了解した」
余計な確認はない。
その一言で十分だった。
パチン、と指が鳴る。
直後――空気が変わった。
幹部候補メンバー全員の身体に、ズシリとした重みが落ちる。
筋肉の出力が削られる。
力が抜けるのではない。
最初からそこまでしか出せない身体に書き換えられる感覚。
一気に存在値が100まで低下したことによる筋力低下を、全員がダイレクトに感じていた。
「続けて、アサルトアルファ到達記念で、こちらを贈呈するよ」
これでゴールデンウィーク期間中、
毎日3話投稿+イラスト投稿を達成!
……いやぁ、大変だった……
ちょっとでも楽しんでもらえたのであれば幸いです!
次のイベントは、センさんの誕生日、7月5日かな……




