21話 超高次の次元ロック。
本日の3話目です(*´▽`*)
21話 超高次の次元ロック。
流石に、みな、『目の前の子供』が『ただのガキではない』と気づけるだけの素養がある。
ゆえに、
レンの重心が、わずかに沈む。
ユズの視線が、すでに急所をロックオン。
ミカンの感覚が、複数層で同時展開。
モンスター?
現地人?
天帝?
邪神?
色々な可能性が頭の中でめぐっていく。
……その中、ペンだけがいつも通りの温度を保っていた。
肩の力を抜いたまま、軽く首を傾ける。
「その年で、こんな森深く、一人でお散歩かい? 正気じゃないねぇ」
綿のような軽口。
だが、その目だけは笑っていない。
次の瞬間、瞳孔がわずかに収縮する。
――発動。
解析系アイ魔法の極致――『コスモアイズ』。
詠唱なし。
遅延なし。
視界に映るすべてを、情報として分解する狂気の眼。
間違いなく、解析系最強の究極魔法。
だが、
(……は?)
思考が、一瞬だけ止まる。
フロントラインでは致命傷の遅延。
その幼稚な無様を恥じてから、
(……おいおい……俺のコスモアイズですら、あのガキの存在値が見えないんですけど……)
ありえない。
この目は、存在値1垓を超える怪物すら数値化する。
名前、構造、位相――どれほど歪んだ存在でも、『利用しやすい情報』にかみ砕いた上で強引に引きずり出す。
だが。
(……デジタルな存在値どころか……名前すら……なにも……)
そこにあるのは、遠慮のないアンノウンの羅列。
――異常。
その結論に至るまで、コンマ一秒。
「ちっ」
舌打ちと同時に、ペンの意識が外部へ伸びる。
その視線が捉えるもの……『狙い』は、全員の帰還アイテム。
反射的に、みんなの指輪に向けて魔力を放出。
遠隔起動。
強制発動。
『他人のマジックアイテムすらねじ伏せて動かす』……本来であればとても難しい技能だが、ペンにとっては呼吸と同じ。
普段なら、失敗などありえない。
――だが、
応答がない。
(……は?)
また一瞬の遅延。
異常事態が多すぎて草も生えない。
(……あのガキ……何かしてやがるな……)
魔法封鎖の領域。
干渉阻害。
そういう類のものなら、珍しくもない。
――撤退不可。
即座に理解。
ならば、と。
ペンの重心が、わずかに前へ移る。
レンたちの護衛を優先した立ち回り。
最悪の場合、己を盾にして全員を守るための初動。
だが――
「そんなに焦らなくていいよ、ペン・ケース」
その謎の子供が、穏やかな声で言った。
まるで、すべてを見透かしているかのように。
「私が直接君たちに危害を加えることはない」
微笑みは崩れない。
敵意も、殺意も、感じられない。
「私という存在は無害ゆえに無敵……とでも言えば、君には理解しやすいかな?」
ニコリと、また一段深く微笑んでから、
「私の名前は……そうだな……アサルト……アザト……サルト……んー……アサでいいや。私の事はアサと呼んでくれ」
明日も3話とイラスト投稿します(*´▽`*)




